NISHISAITAMA PROJECT

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田所駅から三次駅まで走る

島根の方の地図を見ていたら、邑南町(旧・瑞穂町)にある道の駅瑞穂からまっすぐ東へ行くと三次駅まで50km程度で、しかも峠越えなど一切無い平坦なルートで行けることが判明し、さっそくってみることにしました。

道の駅瑞穂は以前も利用した広島から石見銀山を抜けて大田市へ行く高速バスの途中の停留所なので、今回もそのバスに乗るために広島バスセンターへと向かい、そこから道の駅瑞穂を目指します。

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ちなみにこの道の駅、かつてのJRバス川本線の田所駅という自動車駅でもあります。鉄道の廃線跡未成線にできたバスターミナルではないので、鉄道駅の雰囲気は皆無ではありますが、もしかしたらここに鉄道が走っていたかもしれない世界線があったら等という事を考えながらやってくると、それはそれで楽しめるかもしれません(?)。



天気の良い3連休中日だったこともあって、石見銀山へ向かう観光客らしき人もちらほら見かけ、地元客っぽい人を含めて乗車率は40%程度でした。

では、三次へ向けて・・・の前に、先にランチを頂いておきましょう。この石見地方の山間部は、食堂はおろか道の駅やコンビニにすら出会えるかどうか分からないぐらいにはお店の無い地域なので、食べられるときに食べておくのが鉄則です。



道の駅に併設されているカレー屋のカツカレー。福神漬けの代わりに、地元で取れた野菜で作ったお手製の漬物が載っていたりと、美味しいカレーでした。

腹も膨れたところで、ここから先はdoveplusで走って行きます。



もう夏空ですね。この道路は電信柱も無く、空が高く見えます。

江の川へと注ぐ出羽川に沿って進んで行くと、酒蔵がありました。



玉櫻酒造さん。

日曜日ということもあってやっているかどうか微妙な雰囲気でしたが、試しに障子扉を開けてみるとちゃんと営業中で、気さくな女将さんにいろいろとお話も伺うことができて良かったです。ついでに、日本酒を一本、お土産も入手できて満足です。



ほとんど無人地帯の山の中を黙々と走り続けます。出羽川と江の川が合流するところまでは基本的に下り坂で、さらに道中、木陰も多いおかげで快適な川下りサイクリングが楽しめます。車もほとんど走っていませんし・・・



日本の原風景とでも言うのでしょうか、田んぼの緑が美しいですね。こういうときに棚田などに行くと良さそうです。

そのまま走り続けること20kmほどで、突然、目の前に線路と駅が現れます。



こちらは2018年に廃線となってしまった三江線口羽駅。鉄道公園的な施設として残されていて、三江線の他の駅に比べて、現役時代の雰囲気がかなり残っていますね。



口羽駅江の川から少し離れた集落の外れにある駅ということもあって、実は駅自体に立ち寄ったのは初めてなんですよね。三江線が廃止になる前に宇都井駅から江平駅まで線路沿いを歩いたときも、この駅だけは川沿いの道路から外れていたため、立ち寄れなかったという裏話があったりなかったり。

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しばしの休憩のあと三次に向けて出発です。ここから先は三江線廃線跡江の川と共に、三次を目指していきます。



両国橋で渡った対岸は広島県です。渡ればそれなりに整備された国道375号線があり、三次までかっ飛ばしたい場合は国道を使った方が時間的にも体力的にもオススメですが、今回はほどんど車が来ない三江線沿いの狭くて曲がりくねった道を行くことにします。



三江線が現役当時の6年前もここで写真を撮ったのですが・・・当時と意外と差が無いと言えばないような。

最近の鉄道廃線跡は、廃線と同時に線路を剥がしてしまうことが多いような気がしますが、三江線に至っては踏切前後と落ちたら危なそうな橋梁以外は基本的に当時のままに残されている気がします。



江平駅跡。6年前、ここから三江線に乗って広島へと戻ったという三江線との最後の思い出の駅。



香淀駅付近でΩ状に大きく蛇行している江の川三江線は川を渡りつつも川と一緒に進んで行く一方、国道はさらにショートカットするためにトンネルで山の中を突っ切ります。

 

 

こんな箇所がちらほらあるのが現状であり、三江線はどう考えても国道にはかないません。下手すると場所によっては自転車の方が速そうです。



路面温度が36℃という厳しい暑さの中のサイクリングでは、涼しいトンネルがありがたいです。多少の排気ガスなど我慢できます笑

門田トンネルで大幅にショートカットをしてから、再び三江線と共に江の川を渡って対岸へ行き、険しい県道、いわゆる険道を進んでいきましょう。



船佐駅跡。

駅前に何件かある民家は、ほとんど無人の様子・・・



三江線の車窓からもちらっと見えた鳴瀬堰堤。梅雨明け間近で水量も多いため、見た目以上にド迫力でした。

船佐駅の次は長谷(Nagatani)駅。三江線の中では唯一の通過列車が設定されていた、北海道に良くある仮乗降場っぽい駅で、実際に国鉄時代は仮乗降場だったようです。



ホームは立ち入り禁止でも、待合室は入れます・・・が、



この待合所も近いうちに取り壊されてしまうとのこと。おそらく、こういう人里離れた廃駅の小屋は、ここで野宿して、ついでに焚き火などもするような人が出てきたりするので、取り壊さざる得ないのかなとも思うのですが(あるいは単純に税金とかそれがらみかも)、良い感じの待合所だったので残念ではあります。

長谷駅を過ぎると少しずつ開けてきて三次盆地の中へと入っていき、気がつけば三江線の終点の三次駅に到着します。

帰りの芸備線の時刻を調べてみると、すぐ快速みよしライナーが出発するとのことだったので、いそいでdoveplusを輪行袋に突っ込んで乗車!



駅の写真でも撮って、ビール買ってゆっくり帰ろうかと思ったのに、急いでいたのでこれ以外の写真は撮らず、駅の自販機でジュースを買うのが精一杯でした。少し前までは三次駅に元キオスクっぽいコンビニがあり、何かと重宝していたのですが、いつの間にか無くなってしまったのは残念。

今回はそんなに走った感じは無かったのですが、50kmを越えていましたね。

 

繰り返しになりますが、もし三江線があれば、口羽駅などを起点に、さらに島根の奥地の方に足を伸ばすこともできたと考えると、三江線が無くなったのはやはり惜しかったですね・・・

 

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