NISHISAITAMA PROJECT

傘 傘傘⊂⊃/ ̄\ ⊂⊃ 傘傘傘傘

江の川の下流の方をサイクリング

10月上旬の土曜日の早朝。先週まで北海道や東京埼玉を縦横無尽に巡る旅から帰ってきたばかりだし、今週ぐらいは部屋に引きこもって積みゲーや積み本を消化したり、ブログを書いたり、絵でも描いていようかなどと思いつつ天気予報を見たら、なんとお出かけするには最適の天候。

なので、急遽、お出かけすることに決定!!

とりあえず適当にGoogleマップ国土地理院白地図を眺めていると、広島バスセンターからバスに乗って島根方面に向かい、帰りに浜田市内にある温泉に立ち寄ってバスに乗って帰ってくると、良い感じに周遊できそうだと判明したので、さっそく広島バスセンターまで行って高速バスに乗ってみることにしました。



広島~島根間は鉄道の陰陽連絡線が貧弱なため、それを補う形で高速バスがそれなりに充実しています。特に広島県西部との結びつきの強い石見方面へ向かう石見交通の高速バスは基本的に輪行OKで、本数も意外と多くて非常に使い勝手が良いのです。

そして今回乗ったのが、広島から石見銀山を経由して大田市(Oda-shi)へ行くバス。1日2往復しかないレアなバスで、午前便に乗ればお昼前には石見銀山へ行くことができて、観光目的でも便利なバスなのです。この観光バスでもない普通の路線バスで石見銀山へ行くような人はどれだけいるかって話もありますが。

大田市行きのバスに乗り込んで、2時間弱。石見銀山のはるか手前の、島根県の邑南町にある石見井原バス停で下車してみます。



石見井原バス停は、かつての自動車駅の一つ。国鉄バス川本線が運行していたときは石見井原駅(Iwami-ibara sta.)という名称だったとのことで(詳しくはこの辺)、雰囲気だけでも鉄道で輪行してきた気分になれそうな気がしないでもないです(さすがに厳しいか笑)。

では、本日はここから国道261号線を江津方面まで下っていくようなルートで行ってみましょう。



基本下りだし天気も良いので、とても快適。瀬戸内側に比べて山陰方面は気温も低めなのも暑い時期のサイクリング・ポタリングには歓迎できますね。言い換えれば、冬になったら雪で閉ざされてしまい、自転車どころではないという諸刃の剣でもありますけども。

石見井原バス停のある集落を抜けると、昨年も立ち寄った断魚渓という峡谷にさしかかります。

ic-yas.hatenablog.com



断魚渓の渓谷美はなかなか素晴らしく、今回も下まで降りてみようかなとも思ったのですが、この高低差を行き来するとそれなりに時間を食いそうだったので断念し、崖の上から遠目で眺めるだけにしておきました。車やバイクだったら、下の駐車場まで行ってもすぐ戻ることができるし、こういうときは動力の付いている乗り物が羨ましくもなりますねぇ・・・

断魚渓から10分程度で江の川と合流します。



ここから先は、この江の川三江線廃線跡に沿って江津方面に向かっていきましょう。

と、ちょうどこの辺で昼時。行きがけのバスの中でいじっていたGoogleマップでたまたま見つけた「コインレストランかわもと」というレストラン?に昼食を求め、立ち寄ってみました。



かなり色あせた感じの看板と、そのサイドにはドライブスルー、コインキャプテン・ファックス・・・ 謎めいたワードが並んでいます。正直なところ、事前調査なしで一人で入るには少し勇気のいる雰囲気ではあります。



店内は田舎の高速道路によくある自販機だけのパーキングエリアといった感じで、小綺麗に管理されていました。しかも、カップ麺の自販機の他にも、お手製の軽食が入った自販機も用意されていて、電子レンジで温めて食べることもできたりするようです。想像以上にアナログ感のある自販機ですね・・・

そんな数ある自販機の中から、今回ターゲットにしたのはこちら。



うどん、ラーメン、330円。割り箸の突っ込まれ方がいい加減だったり、金額が中途半端だったりとつっこみどころ満載ですが、やはり食べるならこれでしょう。

330円を投入し、待つこと30秒ほどで完成です。



全自動でチャーシュー・かまぼこ・もやしが綺麗に載せられていて見た目も良し。味の方は小学校給食のソフト麺のような感じと言ったところですが、場の雰囲気も合わせて美味しくいただけました! (ちなみにソフト麺は転校前の東京の小学校では一度も出なかったので田舎限定かもしれない)

・・・

昼食後、サイクリング再開です。

まずは鹿賀大橋を渡って江の川の対岸へ。



一見すると何の変哲もない鹿賀大橋は、「Tラーメン構造の片持ち張りだし架設橋として、支間長が道路橋では日本一の長さ、鉄道橋を入れても日本で2番目の長さ」という橋梁マニア以外では「?」しか浮かばないような橋なのです。言われないと何が何だか分かりませんが、ほとんどの人は言われても何が何だか分かりません

鹿賀大橋を渡ってわざわざ対岸に渡ったのは、対岸を走っていた三江線の遺構を見るためであり、現在も駅舎や踏切、道路をまたぐ橋梁を除くと、ほぼそのままの形で残っていました。



すさまじい雑草で線路が隠れてしまっています。見に来るなら雪が降る直前の冬が良いかもしれません。



この辺なら、お手製トロッコや軌道自転車で線路の上を走ることもできそうな予感。こういう集落の中の線路は近所の人が今でも草刈りをやっているようで、綺麗に線路が残っている場所も多いです。



三江線沿いの道は土砂崩れなどで通行止めの箇所も多く、また県道未満の道路だと通行止め情報がどこにも無くて大戻りさせられることもあり、線路沿いの道は諦めて対岸の国道に戻ってきました。こんな地盤の悪いところを鉄道が走っていたのかと思うと、2018年までよく三江線は生き残っていたなぁと思わざる得ません。

旧・桜江町の中心地にあった川戸駅に行くため、また江の川を渡ります。



この川幅。中国地方最大の川だけのことはあります。



川戸駅は駅舎や線路などを含めて、すべて残っていました。駅舎は三江線代替バスの待合所や地域の公民館的な感じで使われているようで、自由に出入りすることができます。まるで現役の駅のようですね。

ここで江の川三江線とは分かれて進路を南西へ変更し、美又温泉を目指して行きます。



江津市東京駅から移動時間距離が最も遠い市とされるぐらいには不便なところで、特に江の川の本流からさらに山奥に入った集落などは、見た目は開けているのに他の農村地帯にはない秘境感が感じ取れます。というか、他の地域に比べて明らかに人家が少ないんですよね。過疎化が進みすぎたのか、それともそもそも初めから人がいなかったのか不明ですが。

そんな美又温泉まで向かう最短ルートをdoveplusで走っていると・・・



「車両通行止め」

車両だから人間は大丈夫だろう・・・とかいう屁理屈を付けて強行突破しようかなとも思いつつも、doveplusだって立派な車両だろうというわけ断念。美又温泉までの別ルートを検索すると、ここから大きく山を2つも越えて、10km以上も迂回しなければならないことが判明し、帰りのバスの時間も考えると現実的ではなく、美又温泉に行くことは不可能というショッキングな現実を突きつけられました・・・

が、そこは諦めずに代わりの温泉を探してみると、すぐ近くに旭温泉という日帰りOKの温泉があることがわかり、そちらへ行ってみることにしました。

asahionsen.net


昔からあった共同浴場を数年前にリニューアルした温泉で、内湯1つの小さくてシンプルながらも、とても気持ちの良い温泉でした! 温泉自体も当初の目的地だった美又温泉とほぼ同じようなので、これはなかなか良いご縁に恵まれたのではないでしょうか(島根だけに)

風呂上がりのビールが欲しくなりつつも、こんなところで酒など飲んだらそれこそ帰れなくなる(以前にコンビニすらなく、そもそもどこにも売っていない)ので、飲酒は我慢して、ここから1.8kmほど山を越えたところにある浜田道の旭インターまで、doveplusで移動します(もちろん仮にビールが手に入ったとしても飲酒してから自転車には乗りませんよ、念のため)。



このインターチェンジには広島行き高速バスの停留場があり、長々と乗って来たdoveplusをここで輪行袋にしまい込んで、広島行きの高速バスへと乗り込み、今回の輪行旅も無事に終えることができました。

 

突発で思いついたわりには、かなり充実した行程だったように見えます。40kmぐらいだと、たとえ登り坂が続いたとしてもdoveplusでも疲労感はないし、今後もこれぐらいの感じで楽しめたら良いですねぇ・・・


あと、余談ですが広島~浜田の高速バス。石見交通の他、広電バスとJRバスが運行する便もあり、JRバス便は輪行不可らしいのでご注意を・・・(そもそもここを輪行で移動する人などほとんどいないと思いますけど)

さらにもうひとつ、広島~浜田の高速バスはPASPYが使えるので、PASPYで乗ると1割引になって超お得です。これを知ってしまったので、また近いうちにこのバスに乗って浜田近辺まで訪問してみましょう!

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