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防石鉄道廃線跡と佐波川自転車道巡り

ここ最近は朝晩の冷え込みも以前に比べれば穏やかになり、そして日が暮れる時間も遅くなったことで、少し遠出して前々から気になっていた自転車道を走ってみることにしました。

その名は、佐波川自転車道(Sabagawa cycling road)。佐波川サイクリングロード、佐波川CRとも言うかもしれません。

佐波川山口県中部にある防府市付近を流れる一級河川で、個人的に好きな川のうちの一つ。しかもいろいろ調べてみると、佐波川自転車道に沿って1964年まで防石鉄道という鉄道路線があり、今でも少なからず痕跡が残されているとのことなので、それらをひっくるめて実際に現地へ行ってみたいと思います。

広島市内から山陽本線の在来線に乗って2時間半。防府駅まで向かいます。



doveplusを展開し、山陽本線の高架に沿って西へ走ってみましょう。かつて存在していた防石鉄道防府駅を出てからしばらく山陽本線と並行していたようです。

防府駅から少し行くと、突然、古い蒸気機関車とそれにつながった客車が現れます。



これこそがまさに防石鉄道を走っていた車両で、現在は鉄道記念公園という形で綺麗に整備されています。ここまで丁寧に整備されているなら、その気になれば実際に走らせることもできてしまいそうなぐらいの状態ですね(あんまり専門的なことは分かりませんが)。

この付近で山陽本線と分かれ、防府の市街地を抜けて進路を少しずつ北へと変えて進んでいきます。



しばらくは廃線跡が緑道みたいな形で整備されていて、簡単に廃線跡をたどることができます。この辺ならば徒歩や自転車などで巡ってみるのが最適でしょう。



一般的にはかなり珍しい、車道に囲まれた歩道が続いています。もちろんこれが防石鉄道廃線跡であり、当時は線路を挟む形で両端に車道があったのだと推測できます。ちなみにこの歩道は自転車も通行OKです。

そんな廃線跡の歩道もこの先で途切れ、この先は一般道に転用された廃線跡を行くことになります。



佐波川の土手が見えてきたあたりにタクシー会社の事務所があり、ここが周防宮市駅。ちょっとした広さがあり、駅前だったと言われればそんな気がしないでもないです。



目の前に見える道路をくぐった先に本橋駅があったとのこと。駅間隔が短いし、蒸気機関車で走っていたとなると、この辺は下手すると自転車よりも表定速度が低かった可能性があります。

この防石鉄道廃線を活用した一般道を進んでいくと、今回のもうひとつの目的である佐波川自転車道の入口が見えてきます。



それでは、ここから先は佐波川自転車道を活用しながら安全かつ快適に防石鉄道廃線跡を探してみることにします。

山陽新幹線や山陽自動車道の高架をくぐり、自転車道防石鉄道の重複区間を進んでいくと、人丸バス停が見えてきます。これがかつての人丸駅



ちなみにここを走る防長バス防石鉄道とほぼ同じようなルートで、防石鉄道の終点だった堀駅まで行く、いわゆる廃止代替バス。いくつかある路線をまとめてみると1~2時間に1本ぐらい走っていて、そこそこ使い勝手は良さそうです。

そんなわけで鉄道がなくなった後も同じルートでの人々の交流は続いているようで、交通量も意外とあります。しかも歩道のない箇所もちらほらあって忠実に防石鉄道を巡るのは大変そうだったことから、この先は基本的には佐波川自転車道を走って、要所要所で防石鉄道廃線跡を確認するようなスタイルで進んで行ってみましょう。



左側が自転車道、右側が廃線跡を活用した県道です。



この不自然に2つの道路が併走しているところからも、鉄道の廃線跡という雰囲気が感じ取れます(まあ、普通の人には分からない感覚だと思いますが)。



佐波川の堤防が整備されている箇所は、基本的には堤防の上を快走できるようになっていて、これがとても気持ちが良いですね。上流から自転車道を走ることを目的として下ってくる人もちらほらいて、純粋にサイクリングを楽しむだけでも良い道です。

・・・

この先の和字という集落に防石鉄道のホームが残っているとのの情報を得たので、佐波川自転車道を離脱し、防石鉄道廃線跡を追いかけてみると・・・



ありました。上和字駅のプラットフォームです。ちなみに駅前にあるバス停の名称は和字バス停なので、微妙に地名がずれているのですが、理由はよく分かりませんでした。

ところで、かつて線路があったであろう部分に生えている木が大木になっていますね。廃止されてから60年近く経過していることを考えれば納得ですけど。

この先で自転車道は県道や廃線跡に取り込まれ、山と川に挟まれた狭いところを一緒に進んで行くことになります。そこに現れたのが奥地バス停。



こちらも調べてみれば、奥地駅の跡。写真を見ても名前を見ても分かるとおり、当時から利用客がいたとは思えないぐらいの奥まった場所にある駅です。



沖ノ原駅があったと思われるところは佐波川自転車道で迂回し、終点の堀駅を目指して爆走します。



終点の堀駅に到着。


なんの目印も案内も無いので、具体的にどの辺が駅跡か判別しにくいですが、唯一の目印と言えば駅前旅館でしょうか。こちらは今でも健在のようです。

この堀駅は徳地町中心地の南側にあり、少し行けばちょっとした商店街などがあります。ただ、仮に鉄道が現在も残っていたとしても、使うには少し不便な気がしますね。実際に廃止代替バスの堀バス停はここではなく街中にあるので、もしかすると当時は町が発展しすぎてて用地買収ができず、街外れに駅を作った可能性があります。



防府駅からここまで約19km。こういう折りたたみ自転車で軽く走ってみる分にはちょうど良い距離でしょう。佐波川自転車道というサイクリングロードも、廃線跡に並行して全区間に整備されているので、特に何も求めず自転車に乗るだけでも楽しめるはずです。

さて、防石鉄道は名前が示すとおり防府と石見を繋ぐ鉄道になる予定でした。そのため、この先も未成線という形で石見方面、つまり津和野まで続いているようですが、そちらの方へ進んでしまうと帰宅時間が遅くなってしまいそうです。なので、この辺で防石鉄道とはお別れして戻ることにしたのですが、ただ戻るだけでは面白くないので、別ルートで戻ることにしました(佐波川ダムまで佐波川自転車道が整備されているので、機会があれば別途ダムまで訪問してみたいところではありますが)。

 

というわけで、続きます

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