NISHISAITAMA PROJECT

傘 傘傘⊂⊃/ ̄\ ⊂⊃ 傘傘傘傘

今福線の未成線巡りついでに有福温泉へ行き、ついでにスーパーまつかぜに乗ってみる

前回からの続きです。

今福線の有福駅(予定地)から有福温泉へと向かってみましょう。もし、実際に今福線が旧線として開通し、有福駅が開設されていたら、最盛期には有福駅から有福温泉への路線バスがあったかもしれないし、輪行で有福駅まで来た場合は、駅前でまだ見ぬ温泉に思いを馳せつつ、うきうきしながらチャリを組み立て、そして現地へと向かっていたに違いないので、そんな気分で向かってみることにしましょう。



緩やかな勾配の峠道を進んで行きます。今までは下りばかりでたいして運動にもなっていなかったし、温泉前の軽い運動だと思えばちょうど良い具合。

有福駅予定地から6kmほどで、有福の中心地へと入っていき、少し山の中に入っていけば、有福温泉の温泉街が目の前に現れます。



この先は、ちょっとした温泉街が形成されていて雰囲気的には悪くないのですが、いかんせん廃墟的な建物も多く、寂れたというか寂れすぎてしまった街並みとなっています。とはいえ調べてみれば、廃業した旅館をリノベーションして新しくして再開業したり、おしゃれなカフェが開店したりと、一時期に比べて持ち直してきてもいるようなので、将来的には期待できそうな感じでした。

有福温泉の温泉街を突き進むと、レトロな感じの建物が見えてきます。こちらが、今回の目的地である御前湯となります。



なんでも山陰の伊香保とも言われている場所らしく、たしかにこの急斜面に造られた温泉街は群馬にある伊香保温泉の雰囲気があると言えばそうかもしれません(ただ、伊香保は紹介記事などでよく見ているだけで、実際には行ったことがないので全然違う可能性あり)。

もう少し近づいてみましょう。



駐輪場など無かったので、この後また駐車場に戻ったのですが笑

doveplusを駐車場のフェンスにくくりつけて、改めて御前湯の建物に入ってみます。内部も外見と同様、いわゆる大正モダンな造りになっていて、それだけでも素晴らしいのですが、その浴場の中央にある湯口から滾々と湧き出ている温泉が実に良かったですね。見た目は無色透明のお湯であっても、入ってみれば少しとろっとしたお湯で、お肌に良さそうな感じ。ここは建物含めて、かなりオススメです。

内部の様子は、公式観光サイトの情報などを参照していただければと思います。

www.all-iwami.com


ところで・・・温泉巡りが好きな人なら有福温泉と、この近くにある温泉津温泉を両方巡ってみると、楽しめるかもしれません。

ic-yas.hatenablog.com

どちらも古き良き温泉街の中にあるレトロな感じの温泉場だけど、それぞれ全然違う泉質だし、片一方は山の中、もう片方は海沿いという全く違った2つの温泉街を同時に堪能することができるでしょう。

まあ、どちらの温泉も広島県からならともかく、中国地方以外からだとアクセスが不便な場所に位置しているので(東京から移動時間距離が全国で最も遠い市と言われている場所の一つ)、そう簡単には訪問できないとは思いますが。

 

・・・


有福温泉で温泉を十二分に満喫した後、どうやって帰ろうかと地図を眺めてみたところ、わりとすぐ日本海に出ることができそうだったので、川に沿って海を目指して走り出しました・・・が、しばらくして強風に襲われ海岸線まで行くのを断念。

山の中でこの風の強さでは、強風が吹き荒れる日本海の海沿いの道などdoveplusで走るにはかなり厳しいことが予想されるので、どうしようかとしばし考えた結果、来た道を戻って、今福線の未成線跡を伝って浜田に抜けることにしました。もともと今福線の未成線巡りのついででやってきた有福温泉ですし、来た道戻るのが一番収まりが良さそうですよね(さっきは「未成線跡巡りより温泉が!」とか言っていた人が今更何を・・・)

有福温泉より、先ほど通ったルートとほぼ同じルートで、今福線の有福駅予定地へと戻ります。



再び今福線の未成線に沿って下府駅(Shimokou sta.)を目指していきます。ただ、この辺の今福線は山の中をショートカットして直進していたようで、未成線自体はほとんど見つかりませんでした。

山陰道の高架をくぐって少し行くと、有福駅の次の駅である上府駅(Kamikou sta.)の予定地が見えてきます。



有福方面から進んできた県道に対する裏道のような形で農協の後ろに道が現れるのですが、こちらがどうやら今福線の未成線を活用した道路とのこと。確かにGoogleマップの航空写真を見ると、下府駅からこの農協の裏まで、線路が敷かれていそうな形の道が続いていることが確認できます(見る人が見れば・・・ですが)。



一直線に続く道、そしてこの切通。言われてみると「あー、鉄道っぽい!」ってなる雰囲気が良く出ています。



道路化するときに拡幅されてしまったからか、言われなければ普通の道路にもみえてしまうんですけどね。でも、それを含めていろいろ想像しながら現地をチャリで走ってみると、けっこう楽しめます(繰り返しになりますが、「見る人が見れば・・・」ですけど)。

上府駅から続く直線の未成線を爆走していくと、山陰本線の線路と、今福旧線の終着駅となるはずだった下府駅が見えてきます。



少し前のストリートビューで確認すると、写真で言う中央やや左上の民家の前には、築堤とそれをくぐる小さいトンネルというか函渠(かんきょ)が残っていたようですが、道路拡幅に伴い撤去されていました。



下府駅は、見た目通りの鈍行しか停車しない無人駅。次の列車も1時間以上待つようなので、ここからは乗らずに浜田駅までもう少しdoveplusで走るついでに、先ほど一時的に行くのを諦めた日本海に改めて行ってみます。 




誰もいない晩秋の日本海。そして風が強く波も高い! 瀬戸内海の穏やかな海とは全然違う、この豪快な景色が見たかったのです笑



飛び込んだら間違いなく命無いな・・・

ちなみに近くには石見畳ヶ浦もあり、数年ぶりに訪問してみようかとも考えたのですが、強風の中、チャリで行き来するのは大変そうなのでそちらは断念し、しばし海を眺めた後、素直に浜田駅へと向かうことにしました。



浜田駅着。

では、ここから広島行きの高速バスで一気に・・・帰れれば良いのですが、この時間帯の広島行き高速バスはJRバスが続くため、輪行する場合は17時発の石見交通バスまで3時間ぐらい待つ必要があります(当ブログで幾度となく取り上げている「JRバス輪行不可問題」です)。

現時点では14時過ぎで、今から石見交通の高速バスが出るまで3時間も待つのもあれなので、隣の益田市まで山陰線で移動してから高速バスで帰ることにしました。それに、山陰本線の浜田~益田の区間と、そこを激走する特急にも久しぶりに乗ってみたかったのもあります。輪行できないことを口実に特急乗って益田まで行く理由ができたとか、これはもう願ったり叶ったりってやつです笑

・・・

浜田駅のお土産コーナーでいろいろ買い込んでから券売機で特急券と乗車券を購入し、スーパーまつかぜ到着10分前に改札を抜けようとしたところ「次の特急は25分遅れです」の放送が!

益田駅での乗り継ぎは40分近くあるので、25分遅れなら乗り換え時間含めても間に合うはずですが、「鉄道」と「高速バス」の場合だとバスの方が列車の遅れを待つようなことはないし、そもそも益田まで特急で移動してから広島行きのバスに乗るような"意味不明な乗客"など他にいるはずありません(通常なら浜田で降りてJRバスに乗る)。したがって、下手すると益田でバスに乗り遅れる危険性も出てきましたが、ここまできてしまったら、もう何ができるというわけでもないので、後先のことは考えずに特急に乗り込みます。まあ、なんとかなるでしょう。いままでだってそうしてきたんですよ、今更、近い未来のことを憂いだって仕方ありません笑



あんまり特急らしからぬ見た目のこのスーパーまつかぜ、こうみえて振り子の力を最大限活用して、かなり飛ばすイカした特急なのです。

浜田駅を出発したスーパーまつかぜは、すぐに日本海の海岸線ギリギリの断崖絶壁を走るようになります。



特急車両の座席に座りつつ、この日本海を眺めながら温泉後のビールを飲みたかったのです(もう、風呂出てから3時間以上立ってますが)。スーパーまつかぜ益田駅止まりだし、浜田以西は乗客もそれほど多くなく、気兼ねなく楽しめますね。将来の行く末が心配にはなりますが・・・



三江線を走っていたかもしれない車両とすれ違い中。


今回、わざわざ特急に乗った理由は、益田から出る高速バスに乗るためでしたが、そもそもこの時間帯に鈍行が全く走っていなかったというのもあります。とはいえ、この辺の鈍行はロングシート車両だろうし、ともなれば車内で飲み食いするのも気が引けるので、ここは素直に特急券を買ってでも特急に乗るべきでしたでしょう。



昨年の同時期に訪問した折居駅などを通過し、ひたすら西へと目指して突き進んでいくこと30分ちょっとで終点の益田駅に到着です。



急いで益田駅を降りて駅前のバス乗り場へ移動すると、すぐに広島行き高速バスが滑り込んできました。あと5分遅れていたら、乗れなかった可能性が高いです・・・危なかった。

益田から広島へと向かうこの高速バスは清流ライン高津川号とも広益線とも呼ばれるバスで、一応「高速バス」のくくりではあるものの、その半分近くの区間は下道を走行する、一般的な路線バスの側面も持ち合わせた路線になっています。

定刻通りに益田駅を出発したバスは、しばらくJR山口線と共に国道9号線を走ります。



本俣賀駅近くで、山口線の車両とすれ違いました。

山口線島根県側の路線は壊滅的に少ないので乗るのが微妙に難しい路線の一つですが、先ほど乗った特急スーパーまつかぜの兄貴分にあたる、スーパーおきがここも走り抜けてくれるので、うまい具合に特急に乗り込めば、乗りつぶし的にはそれほど難易度は高くないかと思います(どちらかというと、益田から萩方面の山陰本線が乗車難易度高い)。



日原(Nichihara)で国道9号線から分かれ、ここから六日市まで国道187号線を走ります。日原駅から六日市を抜けて錦町駅まで向かうルートは、岩日北線というこれまた未成線だったりするので、図らずも帰りも未成線巡りしているような形になりましたね。

岩日北線が開通していれば現在の錦川鉄道の路線と合わせて益田から岩国経由で広島まで特急列車が走っていた可能性が高いので、今福線はダメでもこちらが開通していれば、もう少し山陰方面への訪問難易度が下がっていたと思います(とはいえ、高速バスの方が速くて安いので、ほとんどの人にとっては鉄道の開通など、どうでも良いことかもしれない)。

なお、バスで走行したこの道の逆ルートとして、2年前にdoveplusで走っているので、もしよろしければそちらも何卒・・・

ic-yas.hatenablog.com


その後は、2年前に走った記憶のある国道187号線を走り続け、六日市インターから高速道路へと乗り、そのまま広島へと戻ったのでした。

←新しい記事 / 古い記事→