NISHISAITAMA PROJECT

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高津川を源流から河口まで川下り

去年から四万十川を源流から河口までDAHON DovePlusと共に川下りをやってみようかなとずっと野望を抱きつつも、毎回天気やその他諸々の事情でなかなか遂行できずじまいの日々が続いていたのですが、なにも四万十川にこだわらなくても良いのでは?と思い、いろいろ調べてみると、島根県の西部を流れる高津川という一級河川の川を発見しました。

正確には以前からその存在は知っていたのですが、改めて調べてみると、源流から河口までの距離は約70km程度という、DovePlusで1日で走り切るにはちょうど良い距離である上、高津川も日本最後の清流と評されるぐらいには綺麗で自然が残る川であり、並行する道路もほどよく整備されているようなので、さっそく行ってみることにしました。

 

70kmといえば、だいたいしまなみ海道尾道から今治ぐらいの距離ですね。

まず、スタート地点となる高津川の源流がある島根県吉賀町まで、石見交通の高速バス「広益線」で移動してみましょう。



連休中で客数が読めなかったこともあり、自宅最寄りのバスセンターではなく始発の広島駅から乗車してみました。まあ、乗客数は自分含めて4名程度、バスセンターからも4名ぐらいしか乗り込んでこなかったことを考えると、わざわざ駅まで行く必要は無かったわけですが(ただ、同時刻にバスセンターから出ていた岩国行きの高速バスや、広島駅から出ていた出雲市行きのバスなどはそこそこ混んでいた)。

広島駅から2時間弱で、中国自動車道深谷(ふかたに)PAバス停に到着です。



深谷PA山口県にあるパーキングエリアですが、すぐ近くに島根県との県境があり、本日の主役である高津川の源流もそこにあります。

パーキングエリアの外に出て自転車を展開してから、益田へ向けてスタートです。




深谷PAから少し進むと山口と島根の県境である、深谷大橋が見えてきます。非常に深い峡谷に掛かるアーチ橋で、飛び込み防止の柵や「いのちの電話」の案内があるところを見ると、そういうところなのかもしれません。



死者の霊などに引きずり込まれることなく、無事に対岸へ渡りきれば、ここから島根県です。ついで言うと、我がDAHON DovePlus初めての島根県でもあります。

深谷大橋から少しだけ坂を登れば瀬戸内海と日本海を隔てる分水嶺があり、少し行けば高津川の源流とされる水源公園にたどり着けます。どうでも良いですけど、深谷大橋の近くは、島根県では珍しい瀬戸内側に川が流れ込んでいる地域なので、島根県でも山陰ではなく山陽に分類される地域だと思うんですよね。



水源公園にある大蛇が池という小さくて綺麗な池が高津川の源流です。よくみると魚なども泳いでいて、とても雰囲気が良い公園ですね。これで晴れていれば良かったところですが、まあ冬の山陰なので天気は初めから期待していません笑

それではいよいよ、高津川と共に益田まで下っていきましょう! ここからが本番です。

水源公園から5kmぐらい進んで六日市町の中心地近くまで来ると、中国自動車道の下にちょっとした堤防のような築堤のようなものが見えてきます。これは何かというと、岩日北線の未成線なのです。



ここまで造ったなら、線路を敷いて岩国と繋いでしまえばそれなりに便利だったのでは?とも思いつつも、錦川鉄道の終着駅の錦町駅から六日市駅まで伸ばしたところで拾える乗客などたかがしれているので、あえて放棄したのは賢明な判断だったのかもしれません。



中国自動車道の交差地点から700メートルほどだけ遊歩道として整備されているようで、その部分を自転車で爆走してみました。ほとんど直線という線形を考えると、実際に線路が敷かれて鉄道が走っていれば、智頭急行レベルの特急が走っていた可能性がありそうだし、そうなれば広島や岩国から益田や萩へ行く特急街道になっていたかと思うと、非常に惜しい未成線ではあります。

以前立ち寄った六日市の温泉の脇を通り抜け、国道187号線を高瀬川に沿って進んでいきます。



歩道こそないものの、自転車が通れるぐらいの幅があるので、サイクリング的には快適でしたね。

快適な国道を下っていくと、旧・六日市町から旧・柿木村の木部谷という集落に入っていきます。この木部谷には温泉の他、島根県で唯一の間欠泉があるとのことで、ちょいと見学してみることにしました。



間欠泉は30分周期で吹き出すようで、立ち寄ったときは吹き出す雰囲気すらなく、時間もそんなに余裕がないので諦めて立ち去ろうとしたところ・・・

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突然、白い泡が出てきたと思いきや、いきなり吹き出しました!



実は地中にポンプが埋まってて人工的に吹き出す・・・なんてことはなく、正真正銘の天然の間欠泉を目の当たりにして感動しました。なかなか見応えがあるのに観光客皆無というのが、これまた秘境感があって実に良かったです。

ちなみに間欠泉ということで、この近くには温泉宿もあるのですが、残念ながら臨時休業中で立ち寄れず。



吹き出すお湯(というか水)は透明でも、間欠泉の下にある温泉が貯まっている池は硫黄臭がする茶褐色の水で、手ですくってみると温泉そのもの。このお湯は全身で体験してみたかったですねぇ・・・!

・・・

間欠泉に満足したところで先へ急ぎましょう。

高津川に沿ってひたすら下って行くと津和野町へと入っていきます。自治体名は津和野ではあっても、実際は旧・日原町であり、いわゆる観光地としての「津和野」とはあまり関係が無く、相変わらず似たような風景が延々と続いています。



そういえば、もしも岩日北線が開通していれば、この辺を鉄道が通っていたんですよね。この辺は「左鐙(さぶみ)」という地域で、鉄道駅があれば左鐙駅なんていう、かっこいい名前の駅がもしかしたら開設されていたかもしれません。

津和野町に入ってしばらく行くと、国道187号線は国道9号線という幹線道路に合流します。



京都から鳥取・島根を貫通して山口へと抜ける国道9号線は、やはり一桁国道だけあって交通量が多く、DovePlusには少し厳しい道路かと思いましたが、実際に走ってみると大半の区間で歩道が整備されていて、一安心の国道でした。



ひたすら洞門が続くような区間も、自転車通行OKな歩道があるので、歩道を利用させて頂きますね。歩行者も皆無だし、まるでDovePlusのために用意された専用道路みたいな感じです。

日原の交差点から20kmほどすすめば、高津川下流にさしかかり、益田の市街地を形成するデルタ地帯に入っていきます。この辺まで来ると国道9号線の交通量はさらに増して、さすがに付き合いきれなくなってくるので脇道を探してみたくなるところです。

そんな感じで脇道を探していたら、味のある歩行者専用の小さい吊り橋があったので、吊り橋を渡って対岸へと渡ってみました。



この規模の歩行者専用道で、吊り橋というのはかなり珍しいのでは?



レトロな感じが素晴らしい。もう少し都会にあれば、これだけで観光名所になりそうな感じの吊り橋でした。

その後も、交通量の少なめな裏道を探しながら突き進み、益田の市街地を抜けて、ついに高津川の河口に到達です!



どんよりとした曇り空だし、特にこれと言った特徴も無ければ、記念碑的なものも無い地味な河口ですが、はるばる源流から河口まで走りきった実績を思い返せば感無量です。そんな感動をしばしかみしめつつ日本海を眺めてました。



瀬戸内海と違って日本海は海が荒い!



杜野凛世と共に日本海。杜野凛世は鳥取だから、島根の西の果てまで連れてこられたりすると迷惑かもしれません(?)。

日本海に満足したところで帰りましょう。帰りは、益田駅から広島駅まで出ている広益線の高速バスを利用せず、JRの鉄道で帰ることにしました。



バスだと3770円で3時間半ぐらいで帰れるところ、鉄道だとかかる時間は大差ないのに価格が7500円と倍以上するのですが、JR山口線島根県側の区間など、そうそう乗る事のできない路線なので、ここはあえて鉄道を使ってみましょう。



4連休であるうえ、JR西日本さんが最近出した特急乗り放題のフリー切符が出回っていることを考えると、特急で帰るのは座席的なリスクが高いと経験から判断し、あえて鈍行を利用してみます。



乗車した車両は予想通りというか予想以上に乗客が乗っていなかったこともあり、急遽ビールを買って高津川サイクリングの一人打ち上げ開始です。

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朝からずっと付き合ってきた高津川や、自転車で頑張って走った国道9号線を見ながら飲むビールは美味い・・・!

・・・

益田駅から2時間ほどで山口駅に到着です。この駅で、後から来る特急に抜かれるわけですが・・・



超満員! 鈍行を選択して大勝利でした! 自転車の輪行袋を抱えて、超満員の特急はビールを楽しむ以前に、そもそも乗る事すら憚れますからねぇ・・・

山口駅で30分ほど停車後、ゆっくり出発して終点の新山口駅へ。

新山口からは夜も遅くなったと言うことで、新幹線に乗ってさっさと帰ることにしました。



久しぶりの「こだま以外の」新幹線で一気に広島まで戻って、無事に帰宅となりました。

今回は走行距離的には70kmを越えるDovePlus的には長距離ライドとなりましたが、ほとんど下りで向かい風なども吹かなかったおかげで、肉体的な疲労もほとんど無く、とても快適なサイクリングを楽しむことができました。次回こそは四万十川を走ってみたいと思いつつ、これはまあいつかどこかでできたら良いですねぇ・・・

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