NISHISAITAMA PROJECT

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細島線をたどって大御神社・鵜戸神社へ

前回からの続きです。

薩摩半島一周サイクリングを終え、あとは日豊本線経由で現在の自宅がある広島へ戻るだけとなった最終日に、ちょっとだけ宮崎に立ち寄ってきたお話です。

宮崎県の県北にある日向市駅から、1990年代前半ぐらいまで市内の東端にある細島という港町まで日豊本線の支線である細島線という路線がありました。ただ、1972年には旅客列車は休止となって貨物専用となってしまったため、もともとほとんど利用する人はいなかったようですが(東日本で言うところの国鉄清水港線と似たような扱いだったんだと思う)。

日向市駅は細島線廃止後に立派な高架駅として生まれ変わりつつも、細島線の廃線跡は現在のGoogleマップで見てもよく分かるぐらい線路跡がはっきりと見て取れるので、この廃線跡をdoveplusで走行しつつ、クルスの海や日向市を代表する神社である大御神社などへ訪問してきました。

とまあ、いかにも「今回初めて細島線の廃線跡を走ってみます!」みたいに書いていますが、実は数年前にも同じ廃線跡を走っていたりするのです。このときは、メインが椎葉村へ行くバスに乗ることだったので、一言も触れていませんが。

ic-yas.hatenablog.com

ちなみに廃線跡とかどうでもいいんだよ!」って人は、写真を8枚ほどすっ飛ばして頂ければ一般的な観光地の写真が並ぶようになるので、ご参考までに笑



では日向市駅からスタートです。



南北にまっすぐ延びる日豊本線からゆるりと分かれるような感じで左に離れていくカーブの道路が細島線の廃線跡かと思われます。この先でいったん住宅地の中に取り込まれてしまいますが、日豊本線と並行して走る国道10号線を越えたあたりからまた、廃線跡が道路として活用される区間が見えてきます。



言われなければ分からないと思いますが、この道路の左側の歩道部分が細島線の廃線ですね。1970年代前半の時点ですら利用者が僅かしかいなかった路線だったようですし、この辺なら鉄道として残すよりも、道路拡張の土地として活用した方が地域住民のためになるような気がします。



直線道路をまっすぐ進むと、道路+歩道+道路という、土地計画に失敗したような不自然な道路が登場しますが、この辺が途中駅の伊勢ヶ浜駅だったとのこと。肝心の伊勢ヶ浜海水浴場はここからかなり離れているし、もっと他の名前の方が良かったのではとも思いつつも、そもそも廃止になったので今更の話ではあります。

伊勢ヶ浜駅をすぎれば、イオンタウン(イオンモールの小さい版)が見えてきます。



細島線自体は完全に用水路っぽい川の右側にある道路に飲み込まれてしまって消えています。もし、細島線が健在かつ紀州鉄道のような私鉄だったなら、いまなら「イオン前駅」みたいな駅ができていた可能性はあったかもしれません(樽見鉄道モレラ岐阜駅のような)。

ちなみに、数年前に椎葉村へ向けて乗ったバスの出発地点はこのイオンの中にあるバスターミナルが起点となります。こういう鉄道が完全に劣勢に立たされている地方だと、公共交通機関のターミナルが駅ではなくショッピングモールになるのは、時代の流れですね。

イオンの横を過ぎて10号線のバイパスのような県道を越えると、細島線に残された数少ない遺構の一つが見えます。



運河?にかかっていた鉄橋の橋桁です。

そしてこの運河のような川を渡れば、終点の細島駅に到着します。日向市駅から3.5kmほどの短距離路線でした。



細島駅の駅跡にはホーム的なコンクリの台座のような塊が見えるのですが、地元の方が家族で凧揚げなど楽しんでいたのでそこまでは行かず、遠くから眺める程度にしておきました。

さて、細島線自体はここで終わりとなります。ところが、調べてみるとここから先も少しだけ線路自体は延びていたようなのでもう少し追いかけてみることにしましょう。厳密には細島線ではなく宮崎県営専用線の貨物線とのことです。



その専用線の終着地点あたりには「駅」がありました。駅とは言っても鉄道駅ではなく、海の駅、いわゆる道の駅的なお店ですね。

というわけで、ここで細島線巡りは終わりとなり、ここから先は細島周辺のサイクリングというかポタリングになります。

・・・・

細島の海の駅を越え、海岸線ギリギリを走る道路をひたすら走ります。



宮崎と言えば太平洋側に面していて、瀬戸内海とは比べものにならないほど波の高いところなのに、意外と海面ギリギリに道路が敷設されていて気持ちよく走れます。

海沿いの道をしばらく進むと急な山道となり、doveplusを押して歩いて登っていくと・・・・



高台から海が見えます。こういう何でも無いところにも、フェニックスという椰子の木のような木が生えているのが、さすが宮崎、南国っぽい感じです。

この先の馬ヶ背という断崖絶壁に行ってみようかと思ったのですが、駐車場が混み合っていたのでそちらはスルーして、馬ヶ背とは逆側にあるクルスの海へ行ってみます。



ちょうど真上から見ると「叶」という形に見えるというクルスの海。展望台からでは「叶」まではいかなくとも、クロスしている部分がしっかり見えるので、これはなかなか面白い眺めです。

クルスの海に満足した後は、一気に山を下って伊勢ヶ浜海水浴場へ。



いくら南国とは言っても1月上旬なので寒い・・・

ところでなんでこんな波をかぶるんじゃないかというぐらい端っこまでやってきたのかというと、この伊勢ヶ浜海水浴場の横には大御神社という神社があって、その参拝客で意外と混み合っていたのですね。



予想外に混雑してたおかげで、中途半端な写真しか撮ってなかったです笑

大御神社の裏手にある海に面した洞窟には鵜戸神社があり、そちらにも行ってみました。

こちらは洞窟の中にある小さい祠のような神社で、そこから振り返って外を見ると、まるで「龍が天に向かって昇っている」ような写真が撮れるとのこと・・・



確かに言われてみると、そう見えますね! 実際に肉眼で見るより、写真で撮ってみるとうまい具合に輪郭がぼやけてそれらしく見えます。

最後に、この鵜戸神社の上に登ってみましょう。ここは日知屋城趾だそうです。



この辺は柱状節理が続いているので、かつては火山でもあったのでしょうか(あまりその辺の知識が無い)。大御神社周辺に比べて、ほとんど人もいないところで、静かに休憩するには最高の場所でした。こういうところでチェアリングしつつゆっくり過ごすのもありかもしれません。

その後、まっすぐ日向市駅へと戻って、特急にちりん特急ソニック山陽新幹線という流れで5時間ぐらいかけて広島へと戻りました。

なお、今回の移動の軌跡をまとめるとこんな感じです。



いろいろ入りきっていませんが・・・・細島駅の跡地から先は強烈な登り坂が続くので、もしも同じようなことをやってみようと考えている人(がいるかどうか不明ですが)は、日向市駅で電動自転車や電動キックボード(要・原付免許)を借りてみると、かなり楽に巡ることができるかと思います。

というか、個人的にはこの電動キックボードにえらく興味があり、今回はdoveplusを日向市駅のコインロッカーに突っ込んで、電動キックボードで移動しようかと思ったぐらいでした。それはまあ、また機会があればどこかでやってみたいですね。

せっかくの宮崎県なのに、全体的に寒々しい写真ばかり並んでしまったので、いずれまた暖かい時期に訪問したときにでも同じコースで走ってみましょう。

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