NISHISAITAMA PROJECT

傘 傘傘⊂⊃/ ̄\ ⊂⊃ 傘傘傘傘

加悦鉄道廃線跡を求めて「ちりめん街道」で峠越え

Wikipediaの加悦鉄道(かやてつどう)のページを眺めていたら、現在は廃線跡がサイクリングロードとして整備されているとの情報を発見。

そこで、加悦鉄道の廃線跡巡りをしつつ、doveplusを乗り回せるような手頃かつ現実的なルートが無いかと京都府の北の方の地図を眺めてみると、良い感じなルートがふわっとできあがったので、チャリ担いで行ってきました。

「ふわっとできあがった」というのは「この辺の駅で降りて、適当に峠越えればなんとかなるだろ」ぐらいの計画です。相変わらずの無計画な旅程ですね(とはいえ閑散区間の鉄道ダイヤ、確実に途中離脱可能なエスケープルート、それと通過する予定の道路の交通量だけは、事前に入念に調べておきますが)。

 

※ちなみに今回、かなりの盛りだくさんな行程となっており、6回ぐらいに渡っての紹介になるかと思います

有給休暇を取得した金曜日の朝3時半(!)。

早めに支度をして、広島駅始発の新幹線のぞみに乗り込んで向かった先は姫路駅。ここから播但線に乗って但馬の方へ向かいます。

通勤通学客でごった返している、金曜朝の姫路駅。播但線は反対方向だから大丈夫だろうと思いきや、こちらも福崎方面へ向かう高校生でそれなりに満員でした。まあ、運転席後ろのスペースを押さえておけば、輪行的には問題ないレベルでしたね。

国鉄時代の通勤電車に揺られること50分弱、乗ってる電車の終点である寺前駅で下車します。

というのも、ここから先は何故か電化されておらず、物理的に電車で先に進むことは無理なので、今度は国鉄時代の気動車にお乗り換えです。たぶんこの先はトンネルが多くて、電化するのにいろいろ手間がかかるからだと推測してますが(本当のところは不明)。



JR西日本でも関西圏はほとんど新車に置き換わっているはずなのに、播但線はどこまで行っても昭和時代の国鉄シリーズが続く、ノスタルジックな路線です。



鮮やかな茶褐色の石州瓦な屋根がない点を除けば、山陽地方を走るローカル線の車窓の眺めとわりと似たような雰囲気。そんな感じで非電化区間に入ると速度も低下し、のっそりと播州の山の中を進んで行きます。

途中の生野駅あたりで、低めな分水嶺を越えれば播但線の終点、和田山駅に到着。



駅というよりも田舎の図書館とか、市役所の別館みたいな建物な和田山駅。ここで山陰本線に乗り換えて、福知山方面へ移動開始。



大阪近辺でよく見かけるヤツがやってきました・・・が、これが2両編成で走っているのは初めて見たかも。

山陰本線に乗り換えて4駅移動し、福知山駅の一つ手前の上川口駅という無人駅で降りてみます。



何故ここで降りたのかと言えば、JRで加悦鉄道を目指す場合の最寄り駅がここになるからなのです。というわけで、doveplusを展開して、ここからチャリで目的地を目指します!




そういえばここも京都府でした。doveplus初の京都を走行しております。

ただまあ、京都とは言っても、皆様が思い浮かべているような、古都・京都ではなく、丹波国の福知山です。



国道9号線を京都方面にしばらく走っていくと、立派な京都丹後鉄道宮福線の線路が見えてくるので、ここで宮福線に併走している国道176号線に乗り移って北上して行きましょうか。

ついでいうと、この辺にはかつて、北丹鉄道という鉄道も走っていたらしいですが、全く痕跡は見つけられず・・・



宮福線下天津駅の少し先で、国道175号線と176号線が分かれます。

ちょうど写真の付近に北丹鉄道の下天津駅があったとのこと。言われてみると駅があったぐらいのサイズ感のある空き地が右手にあります。



再び宮福線の線路をくぐり、気合いと根性で2つの峠越えに挑みます。

この時点で気温は30℃を越えており、通行するトラックなどにも注意していくほか、熱中症にも警戒しつつ先へと進む必要があり、炎天下の登り国道を走るのは危険だと早々に判断し、脇道に避難・・・


こちらの旧道、落石があったり、その他いろいろと足場が悪い反面、まったく車は走らず、さらに深い谷筋に敷設された道路のおかげで木陰も多く、かなり快適でした。ただし日陰は蚊が多いので、今の時期は虫除けスプレーが必須ですね(もちろん準備済み)。



旧道が新道に飲み込まれたあたりから、国道には立派な自転車走行OKな歩道が整備されていたので、そちらを通りつつ行積(Itsumori)という最奥の集落を越えると、一発目の峠越えのトンネルが見えてきます。



ただいまの気温「35℃」。暑い! でも、トンネルの中は涼しくて快適!


トラックは多めとはいえ排気ガスが気になるような程でも無く、歩道を歩いている分には安全なので、身体を冷やしつつ先へと急ぎましょう。



坂浦トンネルを抜け、軽快に下り坂を滑走していくと、2つめの峠こと与謝峠がラスボスのごとく立ちはだかります。もちろん、doveplusは真っ向から勝負できるほどの力を持ち合わせてはおらず、早々にチャリから降りて歩いて峠に戦いを挑みます。



先は長そう・・・そして暑い!



何とか熱中症にもならずに与謝トンネルの入口に到達成功!

与謝トンネルを抜ければ与謝峠制覇となります。そんな与謝峠ですが、江戸時代には加悦谷で作られた縮緬が、与謝峠を超えて福知山や京都へと運ばれた、そんな歴史ある「縮緬之道」つまり「ちりめん街道」でした。

まあ、クソ暑い中、峠道をチャリ押して歩いていた時は、そんなお話は完全に忘れてましたけど!



与謝峠を越えればあとは下るだけ。ここも新道と旧道があったので、旧道をチョイスし、立派な新道を眺めながら加悦の中心街を目指していきます。

そのまま急な下り坂を一気に駆け下りていくと、突然目の前に鉄道公園らしき施設が登場します。



加悦SL広場。

この近くに大江山鉱山があり、戦時中はニッケルを採掘していたとのことで、もちろん現在は閉山。その積み出しの跡地を活用してSL広場なる鉄道公園が整備されていたのですが、数年前に閉園となり、現在は野ざらし状態という有様なのです。

さすがにこれはあんまりだし、クラウドファンディングなんかを活用して再開・再整備を目指して欲しいところではありますね(調べてみると、すでにいろいろ動き出してはいるらしい)。

そんなわけで、かつては宮津線の丹後山田駅(現在の与謝野駅)からここまで線路が敷設されていたため、ここから加悦鉄道の廃線跡を活用したサイクリングロードがついに登場します。



加悦鉄道ならぬ、加悦岩滝自転車道。草に埋もれていて、サイクリングロードの整備具合が気になるところですが・・・

少し長くなってきたので、続きは次回へ。

←新しい記事 / 古い記事→