NISHISAITAMA PROJECT

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加悦鉄道廃線跡をdoveplusで走ってみる

前回からの続きです。

無事に加悦鉄道最奥の大江山鉱山にたどり着いたところで、この先は加悦鉄道の廃線跡を活用したサイクリングロードを走り、加悦鉄道に乗って移動している気分で行きましょう!



ひたすらまっすぐ続く廃線跡

加悦SL広場からのスタート地点直後だけ草に埋もれかけていましたが、そこを過ぎればご覧の通りの走りやすいサイクリングロードとなります。道中は一般道との交差点も少なく、舗装もしっかりしていてスムーズに進んでいけるのもポイント高めですね。



大江山鉱山駅のお隣、桜内駅に到着。

案内によるところでは駅予定地であり、実際に駅は造られなかったとのこと。というのも大江山鉱山自体は戦後すぐ閉山となった関係上、加悦駅から先はたまに再開しつつもほぼ休止状態となり、その区間にあとから計画された駅だったために、結局開業することはなかったとか(参考までにWikipediaの情報だと「櫻内駅」で、数ヶ月ほど営業していたとの記載もあり、どちらの情報が正しいかは不明)。



少し大きな道との交差点に、踏切の残骸っぽい囲いみたいなものが残ってました。



そしてやってきたのは加悦駅。

加悦鉄道の中心の駅でもあり、廃線になる当日までここまでは健在だったようです。駅舎が移転された関係上、当時の場所とは微妙に異なる位置に駅舎があるようですが、どことなく駅があった雰囲気は感じ取れます。

しかし、残念ながら駅舎の中にある資料館は休日のみの営業であり、本日金曜は休館日。うーむ、ここは訪問しておきたかったかも。



裏手に回ってみると、当時のSLもさることながら、牽引されていたと思われる客車も整備されていたのは素晴らしい(ただし休館日なので、近くには行けず・・・)。これそのまま、京都丹後鉄道の線路を走らせても良いのでは?とも思いつつも、実際の鉄道路線を走らせるには手続き的な面でも大変なのでしょうね。

しばし誰もいない駅前で休憩したところで、丹後山田駅を目指して出発します。

加悦の名産品、「丹後ちりめん」を生産している繊維工場の稼働音をBGM代わりに聴きつつ、廃線跡をまっすぐと突き進んでいくと、次の駅が見えてきました。



丹後三河内駅

加悦の中心地から少し外れた丹後三河内駅周辺は、綺麗で新しい家がたくさん建っている新興住宅地となっています。昭和60年まで走っていた加悦鉄道をリアルタイムで利用していた住人は、ここにはそれほど住んでいそうにない予感がしますが、廃止になったあとに整備されたサイクリングロードは、現在でも地元の中高生の通学路として利用されているとのことで、その魂(ソウル)はまだ残っているような気がしました。

また、地元の老人のシニアカーも何台か見かけましたね。たぶんこの老人らが若かれし頃には加悦鉄道を使っていたに違いない・・・



三河内口駅。このホームのある部分だけ「くねっ」と少しだけカーブした感じが、ローカル線の駅っぽい感じ。



加悦谷高校前駅は、廃線当時でも学生利用客が多かったらしく、もう少し条件が整っていれば、ここの高校生を輸送するための鉄道路線として存続していたかもしれません。

しかしながら加悦鉄道は、山陰本線というお世辞にも利用客が多いとは言えない路線から分岐した赤字ローカル線宮津線の最も利用客の少なそうな区間にある駅を発着駅としていた路線だったし(当時は、福知山から宮津にダイレクトに接続する宮福線もなかった)、どう頑張っても廃止は免れなかったような気がします。



大江山鉱山から一直線に伸びる廃線跡。基本的に急カーブは一切なく、天橋立駅から架線を強引に引っ張って電化し、途中駅をすべてすっ飛ばす快速電車でも走らせれば、それなりの速度が出せたんじゃないかと空想が膨らみます。

その後も平均1km間隔ぐらいで現れる途中駅を適当に眺めつつ、やってきたのは終点の丹後山田駅



後ろにある線路は現役の京都丹後鉄道宮豊線。かつての国鉄もとい、北近畿タンゴ鉄道宮津線ですね。

現在は丹後山田駅ではなく与謝野駅にリネームされていて、加悦鉄道があった頃の雰囲気は、駅の規模の割に構内が広々している他は、ほぼ皆無だと思われます。

なお、加悦鉄道の旅客運行はここで終わりとなるのですが、貨物輸送の路線がここから先に続いていて、その途中までは引き続きサイクリングロードとして整備されているため、そちらもついでに走ってみましょうか。

こんな京都の日本海側にチャリ持ってくることができるチャンスなど、そうそう無いので体力が続く限り、めいいっぱい走り尽くしてみる所存であります。



しばらく宮津線の線路と併走し、この先で盛り土で高度を稼いでいきますが、その盛り土自体は道路整備のためか廃止後に撤去されて無くなっており、そのタイミングでサイクリングロードも突然終わりを迎えます。



これにて、加悦鉄道廃線跡巡りは無事に完了。楽しかった!

ちなみに航空写真で確認すれば、この先の日本冶金工業の敷地内に突っ込んでいる姿を確認できるし、極限まで追い込みたい人は敷地に入る直前まで、併走する道路から眺めてみたり、直接徒歩で追いかけてみても良いかもしれません(ただし自己責任で)。



分かる人が見れば浮かび上がる、「つ」の字のような形で残る廃線跡・・・!(真ん中の緑色の部分です)



さて、本日の目的も遂げたところで時刻を見ると14時すぎ。

もういくらか遊べそうですので、このすぐ近くにある天橋立まで行ってみることにしましょう。ただでさえ晴天の少ない山陰側だというのに、梅雨時とは思えないぐらいの好天候、まだまだ存分に楽しみますよ。

京都丹後鉄道の線路に沿って府道2号線を少し走れば、天橋立に隔たれた阿蘇海が現れます。



ほぼ完全に閉じた海なので、日本海側なのに瀬戸内海のような穏やかな海になっています。

そのまま進めば、あの日本三景の一つである天橋立が満を持して登場するわけですが、ちょっと長くなってきてしまったので、続きは次回へ。



今回の行程です。

かなり走った体感でしたけど、トータルでは40kmないぐらいなので普段に比べれば短距離でした。やはり、あの温度計で35℃を指していた与謝峠までの登りが想像以上の厳しさだったんだと思います。

こんなの苦行は誰にもオススメできませんが、与謝野駅と加悦駅を往復するぐらいの加悦鉄道廃線跡巡りはdoveplus程度のチャリでも、十二分に楽しめるので、こちらはオススメします笑

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