前回からの続きです。
浜坂の道の駅で蕎麦を食べ、浜坂駅へと戻ります・・・が、次の鳥取方面の列車は行ったばかりで1時間待ち。なので、引き続きチャリに乗って移動します。
道のど真ん中に融雪装置があったりするあたり、どことなく雪国の感じがあっていいですね。
そんな浜坂の街の中を抜けて、鳥取方面へ。
静かな海岸線を通り2つほどトンネルを抜けると、浜坂駅の1つ隣、諸寄駅が見えてきます。
引き続き国道178号線を走って鳥取を目指そうかと思いつつも、この辺は2024年現在、山陰近畿道が開通していないためか交通量が多く、あんまりチャリで走りたいと思えない道。
ただ、ここで山陰本線のダイヤを確認すれば15分の待ち合わせで鳥取行きの乗車できることが分かったので、ここは臨機応変に素直に列車で移動しちゃいましょう。
ここまで13km。この前に浜坂駅から湯村温泉までもチャリで10km走行していることを考慮すれば23kmのチャリ旅でした。
山陰の海は綺麗な砂浜と、こういう感じの岩礁が作り出す静かな入り江が交互に登場して変化に富んでいます。まさしくこれが山陰海岸ジオパーク(たぶん)。
諸寄駅でdoveplusを畳んで、山陰本線の列車に乗り込みます。
涼しい列車内で休憩しつつ、改めてこの辺の地図を確認すると、次の居組駅が兵庫県側では最後の駅で、そこを越えれば鳥取県。このまま列車に乗り続けても鳥取には少し早く着いてしまうし、それなら県境越えは自らの足で挑んでみるのも楽しそうだと考え、お隣の居組駅で降りてみます。慌ただしいですね笑
隣の駅、居組駅が見えてきました。降りましょう。
ところで一つ前の「諸寄駅」にしろ「居組駅」にしろ、途中下車してみたくなるような語感の良い駅名が続いていて、県境越えとは無関係にでも降りてみたくなりますし、降りてもどうにでもなってしまうのが、折りたたみ自転車輪行旅の良いところ。
ちなみに乗っていた列車は、今朝、浜坂まで乗ってきた駅メモラッピング車でした。但馬地方のPRキャラなのに因幡の方まで行くとは営業熱心ですこと。
デザイナーズマンションの横にある資材置き場的な建物の居組駅は、ここ最近、新造されたようです。まわりには一切建物がないので、いわゆる秘境駅の一つ。
適当にdoveplusを展開して、県境を目指しましょう!
海岸線まで出て居組の集落を抜けると、県境へと向かう旧国道が登場。
居組の猫。釣り人などが捨てる魚目当てで、この辺に居座ってるんでしょう。
猫はともかく、さっそく、頭文字Dの舞台になりそうな曲がりくねった道を必死に登っていきます。
これでもかというぐらいに大胆にうねってる旧国道と、山陰海岸の独特の景観、それに静かな漁村という、見かけによらず情報量の多い展望台で休憩します。
というか、兵庫県にこんなところがあったとは・・・神戸や尼崎、宝塚などと同じ県内とは思えないぐらいには別世界です(淡路島と比べてみたかったけど、淡路島には行ったことがないので・・・)。
七坂八峠(Nanasakaya pass.)への登り坂を頑張って進んでいくと、ついに県境に到達します。
この先は鳥取県!
県境の岬にある展望台から眺める鳥取方面。
ちょっと曇ってきましたけども、6月中旬の山陰地方で、これだけ晴れてくれれば及第点どころか100点満点でしょう。出発前の天気予報では曇り時々雨の予報でしたし。
七坂八峠から一気に海抜ゼロメートルまで颯爽と下りきり、鳥取県側の最初の駅、東浜駅に到着。
居組駅から1駅隣のスタイリッシュな駅舎が素敵な東浜駅。
鉄道や高速道路だと数分で移動できる区間でも、チャリで峠越えに挑めば1時間もかかるわけですし、文明の利器は素晴らしいですね(それがたとえ明治時代の産物であったとしても)。
鉄道一駅分なので距離的には短くても、とても愉快な峠越えの道でした。
さて、引き続きチャリに乗って鳥取市内を目指そうかと思いつつも、ここで駅に掲示されている時刻表を見ると、なんと8分後に鳥取行きが来ることが判明。これはもう、チャンスとばかりにdoveplusを畳んで列車に乗り込みます。ここまで、一駅ごとに乗り降りを繰り返してます・・・
本日3回目の山陰本線に乗車し、途中下車すること無く鳥取方面へ移動します。もう少し時間があれば、東浜駅の隣の岩美駅で降りても良かったんですけどね。
鳥取駅では、先ほど乗っていた鳥取行きに接続する形で、日本屈指の超閑散区間の一つである津山方面に向かう因美線の鈍行列車(に接続している列車)が発車の時間を待っていました。それに乗って津山経由で岡山に抜けるのも良いかなと少し迷いつつも、その誘惑を振り切り、鳥取駅で下車して改札の外へと出ます。
というのも、1時間待てば岡山駅に直行する特急スーパーいなばに乗れるし、それに1時間待ち時間があるならば、鳥取駅の近くにある温泉にも立ち寄れるため、因美線より温泉を優先してしまいました。特急料金+智頭急行の料金が上乗せされますけど、その金額を支払えば鳥取市内での滞在時間が伸びるわけだし、その価値は十二分にあります。
doveplusを取り出し、チャリに乗れば目的の温泉までわずか4分(参考までに、歩くと15分ぐらい)。
鳥取に来たら、何かに理由を付けて立ち寄っている日乃丸温泉。今回も来てしまいました。
このブログでは何度も登場しているので詳細な説明は省略しますが、日乃丸温泉古くからある銭湯型の温泉で、内湯一つの熱めの掛け流し温泉です。
乗り換え時間にささっと軽く汗を流すには十分すぎるぐらいの温泉だし、やはりここは何度立ち寄っても最高ですね!
大阪方面へ向かう「スーパーはくと」に比べると、若干特急らしさには欠ける「スーパーいなば」。とはいえ中身はしっかり特急なので、因美線や智頭急行線の線路を限界までガンガン飛ばして行きます。
どうでも良いですけど、名称が「スーパー○○」な特急って、全国的に見ても、鳥取周辺にしか残っていないとのこと。こういうところでも山陰地方は時代に取り残されている感があります。
実はこのビールは2缶目。1缶目のスーパードライは缶を開けた瞬間に忽然として消えてしまい、写真を撮る隙すらなかったために、2缶目の夏バージョンなキリンスプリングバレーは、ゆっくり味わって頂きますよ。
その後、上郡で山陽本線へと入り、昔から18きっぱーを苦しめ続ける船坂峠を軽々と越え、岡山へ。そして、山陽新幹線に乗り換えて広島へと帰ったのでした。
・・・
今回は、加悦鉄道廃線跡巡りに始まり、天橋立や小天橋、城崎温泉などを巡りつつ、湯村温泉や山陰海岸のサイクリングも盛り込み、最後に鳥取で〆の温泉にも入るという大変盛りだくさんな1泊2日の輪行チャリ旅でした。
正直なところ、1日目が素晴らしく良すぎたため2日目などは、ただの移動だけになってしまうのでは無いかと出発する前は思っていたのに、いざ箱を開けてみれば1日目とは違った楽しさがあり、最後の最後まで無駄のない充実した旅程を堪能することができましたね。
この旅行を終えた直後から本州地方も梅雨入りとなってしまったため、お出かけは厳しそうですが、この2日間が楽しかったので、しばらく問題なしです笑