前回からの続きです。
西土佐の道の駅で小休止した後、引き続き、四万十川をさかのぼって行くと、目の前には鉄道らしき鉄橋が見えてきます。
こちらはJR予土線の線路であり、このすぐ近くには予土線の代表駅の一つでもある江川崎駅があります。時刻表を確認すれば、30分ほど待つと宇和島方面に向かう予土線に乗車できるようですが、さっきカツ丼をがっつり食べてしまったし、そのカロリー消費もかねて、もう少しdoveplusで走ってみましょう。というか、目的地は駅ではなく温泉なので、まだまだ走る必要があります。
四万十川と共にこの先も行くとなると、江川崎から先は進路を東へと取り、窪川方面へと向かって行く必要がある一方で、西から広見川という支流が予土線と共に流れ込んできます。
当然ながら四万十川巡りをするならば、ここで東に進路を変え、土佐大正などを経由して窪川方面へと行くのがベストだとは思いますが、目をつけていた温泉はそっちにはないので、ここから先は広見川に沿って宇和島方面へと進んで行くことにします。
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予土線の宇和島から江川崎までの区間が開通したのは戦後すぐで、以前訪問した島根の今福(旧)線とだいたい同じ時期になります。そのためなのか、一部の橋はコンクリートアーチ橋になっているのが確認できますね。
今福旧線が開通していたら、おそらくこんな感じで現在まで残っていたのだと思います。予土線は今福線とは異なり運良く開通できた路線なので、こちらはもちろん現役のアーチ橋となりますが、予土線はJRのローカル線の中でもトップクラスに廃線の危機が迫っている路線でもあるので、今後いつまでも残っているかどうかは分かりませんね・・・末永く生きながらえて欲しいところではありますが。
そんな感じで予土線沿いに走っていると、突然近くの踏切が鳴り出したので、iPhoneを構えて待っていたら・・・
四国新幹線もとい、0系新幹線っぽい何かに追い抜かれました。見た目は新幹線でも、中身はローカル線仕様の気動車ゆえに、かなりゆっくり走っています。
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江川崎から4kmぐらいのところで、土佐と伊予の国境に到達します。
今まで長々と付き合ってきた高知県ともここでお別れし、ここから先は愛媛県!
愛媛県に入ると周囲の山々が低くなり、人家も増えてきます。
中央左側に見える駅は吉野生駅で、このあたりからは盆地のような開けた農村地帯を行くようになります。
そして中村から50km弱を走り通し、最終目的地の温泉がある松丸駅に到着!
なんだかんだ寄り道したりしつつも、予定通りに松丸駅にたどり着けました。
中村駅から登り一辺倒だったのに加え、途中からは向かい風も厳しかったので、今回の行程は厳しかったですね。でもまあ、まだ気合と根性だけでもまだまだ何とかやっていけそうです。
っと、そんな今回の自己分析など後回しにして、温泉に入りましょう。こちらがその最終目的地にある温泉、森の国ぽっぽ温泉となります。
ぽっぽ温泉は、予土線の松丸駅の2階にある駅直結型の温泉なので、温泉から出た後そのまま鉄道に乗ることも可能! サイクリング後の〆の温泉には最高に良いフォーメーションなのです。
こんな感じで足湯もありますし・・・・
裏に回れば予土線にも出会える可能性もあります(たまたま反対側の列車がいた)。
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ではさっそく温泉へと入りましょう。
ここの温泉は低張性アルカリ性冷鉱泉という温泉というか鉱泉で、見た目は薄く濁ったお湯です。鉱泉とはいえガンガンに沸かしてあるので、しっかり温まることができますし、それにサウナや露天風呂もちゃんと完備されているので、その辺は問題無いですね。特に駅舎の2階にある露天風呂からは、運が良ければ湯船に浸かりながら予土線の車両も拝むことができるかと思います(数時間に1本しか来ないので、相当運が良くないと出会えないと思う)。
駅の上にしては広々しているし、中村から四万十川をさかのぼってここまで来た身体を休めるには最高の温泉でした!
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宇和島方面の列車のダイヤに合わせて風呂を出て、doveplusを輪行袋に突っ込んでしばらく松丸駅の駅舎内で待つと、予土線の列車がやってきました。
こちらは、しまんトロッコ号・・・を牽引していた気動車。よく見ると、SHIMAN TOROCCOと書いてます。
聞くところによればトロッコ車両は土佐大正~江川崎間のみ、つまり高知県内の一部のみの運用らしく、愛媛県側は気動車一両での運転のようですね。トロッコにも乗ってみたかった気がしますが、そもそもトロッコに乗るには指定席が必要らしいし、それに風呂上がりに吹きさらしの屋外にいたら湯冷めしそうな気がするので、トロッコが無くて正解だったかもしれません。
日南線といい勝負ができそうなぐらい、草に埋もれた線路をゆっくり走ること40分ほどで終点の宇和島に到着です。宇和島では接続時間2分でアンパンマン仕様の特急宇和海にお乗り換え。
接続が悪すぎるダイヤは論外ですが、乗り換え時間が2分しか無いのも、慌ただしくてアレですね・・・いやまあ、普段使いする人にとってはこっちの方がありがたいと思うし、我々部外者は、そのおこぼれに預かっているわけですから、文句はありませんよ。
というわけで、宇和島駅での食料調達する時間は無いことは事前にリサーチ済みだったので、温泉から出た直後に松丸の街で、いろいろ買い込んでおいたのですよ。
ここで風呂上がりのビール!
予讃線の末端部分を飛ばし続けること1時間半ぐらいで松山駅に到着。あっという間。
さて・・・自宅のある広島へは、松山観光港から船に乗らなければならないため、松山駅から松山観光港の近くまで連れて行ってくれる伊予鉄に乗り換える必要があります。ただ、松山市内ではJRと伊予鉄の郊外電車は一切接続していないので(路面電車で接続している)、伊予鉄に乗るには松山駅から歩いて伊予鉄の大手町駅まで、電停一つ分だけ歩きます。
大手町駅に到着。こういう、普通のオフィスビルやマンションに飲み込まれるような形のホームは、地方都市にある私鉄って雰囲気が出てて個人的に好きな光景。
伊予鉄高浜線に乗って終点の高浜まで移動します。
高浜駅から先は松山観光港までは連絡バスで移動するか、あるいは歩くかのいずれかになります。夜も遅いし、通常ならバスに乗り換えるところですけれど、今回は時間もあったので歩いて移動します(ビール飲んでいるのでチャリには乗りませんよ)。
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寒空の中、歩くこと10分弱で松山観光港に到着。800メートルぐらいなので、さほど遠くはないですね。
ところで、松山観光港から広島港までは普段は安価なフェリーに乗るところではありますが、フェリーは2時間近く待つ上に、広島到着は深夜になりそうだったこともあって、素直に追加料金支払ってスーパージェットで帰ることに。
スーパージェットは2回目ですね。
そして、真っ暗な瀬戸内海を一気に突き抜け、広島へと帰ったのでした。
今回は元々「四万十川に沿ってチャリで走ろう」というふわっとした計画からいろいろ派生し、気がつけば高知市内を走って桂浜に行ってみたり、須崎のあたりの海岸線に立ち寄ってみたり、最後に温泉をくっつけてみたりと、1泊2日でがっつり楽しむことが出来たので総じて満足です。強いて言えば、宿泊先の夜に、いい感じの店でうまいものでも食べられれば最高でしたが、まあ、そのマイナスを十分カバーできるほど楽しかったので、結果的には全然問題なしです笑