NISHISAITAMA PROJECT

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芸備線とチャリで行く君田温泉

12月中旬の休日のこと、天気予報を見ていたら山陰地方で本格的な冬の到来を予感させるような気圧配置になっていたので、雪が降る前に広島県北部に行ってみることにしました。目的地としては、三次市に合併されて消滅した旧・君田村にある君田温泉です。

広島市内から三次市へ公共交通機関を使って行くとなると芸備線と高速バスがあるので、今回は中筋駅から出ている高速バスを使ってみることにしました・・・が、時刻表を読み間違えていたため、なんとバスが来るのが1時間半待ちという失態をいきなりかます事態に。

本来ならこの時点で諦めて家に帰ってふて寝するところですが、物は試しと中筋駅の近くにある芸備線安芸矢口駅の時刻表を見てみると、なんと20分後に快速みよしライナーが来るではありませんか! 徒歩なら無理でもチャリならギリギリ間に合う時間だったので、急いで安芸矢口駅まで行ってタッチの差で芸備線に追いつくことに成功!



芸備線の快速に乗ることができた上、高速バスよりも400円ほど安く三次まで行くことができたので、結果的にはむしろ良かったような。

快速みよしライナーは下深川駅以降の地味な無人駅を次々通過していき、1時間弱で三次駅に到着です。この区間はもう少し改良して最新の特急列車などを投入すれば、もっと高速化できそうなんですけど、JRも自治体もお金がないのか、その気配は全く感じられませんねぇ・・・(JR九州ならやりそう)。



チャリを展開して準備完了。



君田温泉は三次駅から13km程度離れてところにある道の駅の温泉です。以前、事前調査と称して同じルートをレンタカーで走った限りでは歩道も整備され、キツい峠越えもなかったので、ミニベロレベルの自転車でも1時間半あれば余裕でゴールできそうです。それなので、時間的余裕もあると言うことで、三次市内を少しだけ散策してみることにしました。三次も雪が積もるとチャリや車では訪問しづらくなるので、今のうちに興味のあるところは立ち寄っておきたいのです。



2018年に廃止となった三江線の馬洗川橋梁。レール含めてほぼそのままの状態で残されています。三江南線区間は高架やトンネルも多く踏切も少なめなので、廃線で良くある公園扱いのトロッコ列車的な遊具で暫定復活させることも、やる気さえあればわりと実現可能っぽい感じです。逆にサイクリングロードとしての復活は厳しそうな感じ。



線路に沿って移動すると、尾関山駅が見えてきます。こちらも駅舎含めて、ほぼそのままの形で残されています。



これだけ市街地にありながらも、廃止直前の利用客は1日4~5人だったそうなので、廃止されてしまうのも頷ける・・・というか、本数が少なすぎて利用しようがなかったようにも見えますけど。

尾関山駅のすぐ近くには尾関山公園という公園があり、公園の中心を貫通するような形で三江線のトンネルが掘られています。そんな尾関山公園も以前から興味があったので、そちらにも立ち寄り、一番の高台にある展望台から三次市内を眺めてみることにしました。



尾関山公園は桜の木やモミジの木がたくさん植えられているので、桜や紅葉のシーズンに改めて訪問してみたいところ。チャンスがあったら芸備線なり高速バスで訪問してみましょうか(レンタカーだと渋滞に巻き込まれたり駐車場争奪戦で面倒なことになりそう)。

では、そろそろ今回のメインイベント、君田温泉へと向かいます。



江の川の支流である西城川沿いに北上していき、途中で君田村方面へ向かうために小さな峠越えとなります。



普通のクロスバイクレベルの自転車なら一瞬で越えられそうなレベルの峠です(DAHON DovePlusは厳しかった)。ほとんどの区間で歩道もありますが、雑草が生えすぎているのに加え、デコボコしすぎていたので車道を走った方がむしろ安全かもしれないレベルでした。

峠を越えると江の川の別の支流、神之瀬川に沿って進むことになります。



ゴム引布製起伏堰。この大きさのサイズは珍しいような気が。

しばらく進むと歩道というか歩行者・自転車専用道は県道から外れ、そのまま神之瀬川の土手へとつながるように整備されているので、道なりに土手の上を走って行きます。



のどかな山村風景が広がる実に良い光景です。これで天気が良ければ最高でしたが、冬の山陰にそれを望むのは酷でしょう。

ここから4kmほど神之瀬川に沿って自転車を進めていくと、目的の君田温泉にあっさり到着です。三次駅から休憩したり寄り道したりで2時間ほどかかりましたが、真っ直ぐ向かえば1時間ちょっとで到達できそうです。

www.kimita-onsen.com
ここまで自転車で来るような人はめったにいないのか、駐輪場なんてものはなかったので、建物裏の手すりにくくりつけて、いざ温泉へ。

君田温泉は少し白みがかった重曹泉で、しばらく浸かっていると体中に細かい気泡が付着する不思議な温泉でした。炭酸泉とまでは行かなくても、それに近い感じがあり、とても良い温泉でしたね。内湯の大浴場は広々していたし、露天風呂もそこそこの広さがあって申し分ない感じでした。これは、三次からわざわざ足を伸ばして訪問する価値はあるかと思います。

唯一の残念な点と言えば。付近を走る路線バスの本数が少なすぎるので、日帰り単独で訪問すると、風呂上がりのビールが頂けないところでしょうか。これはまあ、地方の温泉では諦めざる得ない問題なので仕方ないと言えばそれまでですが・・・

重箱の隅をつつくような不満点しかないぐらいのお気に入りの温泉になったので、ここはまた日を改めて訪問させてください!

・・・

1時間ほど温泉に入った後は三次駅までトンボ返りです。帰りも峠越えがあるにはあるのですが、行きほど高低差はなく、どこにも寄り道せずに走行したので、三次駅までは50分程度で到着することができました。

本当は1時間以上かかると思っていて、それに合わせて高速バスで帰るつもりだったのに、早く着きすぎてしまったので帰りも芸備線に間に合ってしまいました。



表示は「普通」でも、中身は「快速みよしライナー」です。

この快速は備後落合はもとより、新見から芸備線を乗り継いで乗車することができる快速列車だったので、いわゆる乗り鉄な乗客がちらほらいましたが、コロナ的な状況なので全体的な客は少なめ。なので、ボックスシートを占拠して・・・・



1時間越しの温泉後のビールを車内で存分に楽しんだのでした。折りたたみ式自転車ゆえ、ビールを飲んでもあとは公共交通機関だけで移動すれば飲酒運転ではないというのが、実を言うと一番のメリットなのではないか!?と思う次第です。

次回は庄原市高野町方面からぐるっと神之瀬川に沿って君田温泉に向かうコースにチャレンジしてみたいと思います。調べてみると、備後庄原駅から路線バスを乗り継いで高野まで行けるみたいなので、雪が溶けたら挑戦ですね・・・!

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