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日本最長昼行特急にちりんシーガイアのグリーン個室で行く宮崎

前回からの続きです。

今回、わざわざ博多に1泊した理由の一つ、前回の記事で挙げていた「とある事情」とは何かと言えば、博多駅を早朝出発する「にちりんシーガイア」に始発駅から乗るためでした。

電車で大阪・広島から宮崎方面へ向かうときは、通常は小倉で乗り換えて日豊本線に乗って東九州をまっすぐ南下するか、あるいは今年の正月に利用した、九州新幹線+高速バスといういずれかのルートがあるのですが、今回はあえて博多から特急で行ってみます。

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というのも、日豊本線には、にちりんシーガイアという特急が1日1往復走っていて、これはなんと、博多と宮崎空港を6時間近くかけて結ぶ、在来線昼行特急では日本一の長距離特急なのです(夜行を含めると、サンライズ出雲が最長だと思う)。

さらに付け加えると、このにちりんシーガイアを含むJR九州の黒い特急、787系の一部編成にはグリーン車の個室が1部屋だけ用意されていて、ダメ元で予約してみたら、なんと運良く確保できたということもあり、今回はグリーン個室での移動となります!

櫛田神社前駅の宿を7時過ぎに出発し、博多駅まで歩いて移動します。



そういえばここ、数年前に地下鉄工事のミスで陥没したところだったなぁなどと思いながら歩いていると・・・



その記念碑がありました。
確かに当時のあの事故、規模の大きさの割に死者はおろか、直接的なけが人すら発生しなかったうえ、あっという間に元通りに復旧したってのは、なんだかんだですごかったと記憶しています。

さて、そんな陥没跡地を抜け、博多駅にやってきました。



こちらが本日お世話になる特急にちりんシーガイア博多駅を7:30に出発し、宮崎駅に到着するのは13:07(終着は宮崎空港駅13:19着)なので、5時間半の長旅が始まります。参考までに、新幹線で東京駅から博多駅まで乗り通すと5時間かかるので、それ以上の時間をかけて走ることになりますね。



にちりんというか787系特急のグリーン車自体は昨年も乗っているので、ここまでは既に経験済みですが・・・



こんな感じで、1号車のグリーン車両の入口にがっつり個室が用意されています。前述したとおり、1編成に1部屋しか無い貴重な個室です。

「シーガイア」のつかない「にちりん」だと個室が無い編成も多く、JR九州以外のJRだと、そもそも個室のある一般的な昼行特急列車はJR東日本の踊り子ぐらいしかありません(私鉄特急だと、もういくらかある)。



特急電車の中にソファ!!

ソファで横になって余裕で寝ることができるし、この車両を使ってドリームにちりんみたいな夜行特急を走らせて欲しいぐらいですね・・・

参考までに、こちらの個室。水曜どうでしょうサイコロ5の第2夜でも取り上げられていますので、どうでしょうのDVDや録画データなどお持ちの方はそちらを見て頂けると、どれだけ愉快な個室か分かるかと思います(25年前の情報なので、当時のような華やかさ・豪華さは無くなってますが)。

そんな感じで個室内の設備をいじくっていると、いつの間にかににちりんシーガイアは出発していました。



元々静かなグリーン車で、さらに個室なので、他の乗客の気配など全く感じられないのが良いですね。この個室は上や下が開いているセミコンパートメントではなく、完全な個室になっているので、感覚的には寝台特急カシオペアの個室にでも乗っているような感じです(ソファの感じがカシオペアのA寝台に似てる)。

さて、ここまで良い環境なら・・・



朝から申し訳ない笑

なお、名前に反して観光特急ではないにちりんシーガイアは、売店はおろか車内ワゴンサービスすらないので、出発前に食料を買い込んでおくことを推奨します。

途中の小倉駅大分駅でも、がんばってホームの自販機でジュースを買うぐらいの時間しか停車していないことを考えると、乗る前にいろいろ買っておかないと大変な目に遭いますね(これは個室グリーン車ではなく、にちりんシーガイアの一般座席でも同じ)。



新しくなった折尾駅を抜けて小倉駅に到着。

小倉駅では進行方向が変わりますが、そもそも座席の向きなど関係ない個室なので、進行方向が変わったことすら気にせず先へと進みます。

そういえば、このグリーン個室には座席も1つ用意されています。



その手の人の間では「社長席」とも呼ばれているらしい椅子。座席自体はグリーン車両の座席なので座り心地もよいですが、後ろがすぐ壁なのでフルリクライニングになるようなことはありません。普通のグリーン車の座席ですね。

グリーン個室は、この座席とテーブルを囲うような形で、L字型のソファが設置されており、最大4人まで利用することが可能です。もちろん1人でもOKです。

いろいろ遊んでいるうちに、にちりんシーガイア大分県へ・・・



別大道路は、一度doveplusで走ってみたい。



大分駅で貨物列車を追い越します。日豊本線を走る貨物列車は珍しいような。



佐伯駅を過ぎれば、18きっぱー最難関区間の一つ。宗太郎越えが始まります。


普通列車の本数もさる事ながら、携帯も圏外になりやすく、ついで言うと車窓も基本的には森かトンネルばかりが続き、特急ものろのろ走る厳しい区間でもあります。



宗太郎駅を越えて宮崎県へと入り、市棚駅を通過中。

日豊本線も何年か前までは延岡駅発・市棚駅止まりの普通列車が何本かあり、これがあれば輪行的には楽しめたはずなのに、いつの間にか1日3本(上り1本、下り2本)まで減らされてしまったのが残念。

・・・

ローカル線のようだった日豊本線は、延岡駅を過ぎると旭化成さんの資金提供によって高速化された線路に生まれ変わるため、にちりんシーガイアも再び本領発揮し、ものすごい速度で宮崎平野を爆走します。



横に見えているのは、かつてのリニア実験線ですね。現在は太陽光発電所として活躍中です。ここを太陽光発電所にしたのはナイスアイディア。

延岡駅を出て1時間弱で、宮崎駅に到着です。



※写真はイメージ、別の日に撮ったものです(最後の特急車両を写真に撮ってなかった)



朝早く出発したのに、もう13時過ぎですよ!

でも、グリーン個室のおかげで全く疲れること無く、長距離移動でも飽きること無く楽しむことができました。まあ、何やっていたかと言えば、ビール飲んでいるか、外見ているか、ソファで寝てるかのいずれかでしたが笑

この個室は子連れ客なんかだと、完全個室なのでまわりを気にすること無く利用できるだろうし、あるいは感染症対策等で他の客との接触をできる限り回避したい場合なんかでも利用すると良いんじゃないかなと思いました。

ただ、にちりんシーガイア自体が1日1往復しか無く、ネットで買えない個室チケットを取るのも多少厄介なので(特にJR九州外のみどりの窓口の中の人が分かっていない場合がある)、一般の人が博多から宮崎まで行く場合は、素直に新幹線+高速バスか、飛行機で移動した方が無難です。



とはいえ、こんな長距離を個室で移動できる特急など日本全国探してもそうそう無いので、興味のある方は是非とも乗ってみてください! にちりんシーガイア自体、いつ無くなってもおかしくない特急なので!

【追記】

こちらの記事、ありがたいことに検索エンジン経由でアクセスして頂いてる方がそれなりにいらっしゃるようです。その中には難解な個室グリーン車の料金を知りたい方も多いかと思われますので、補足しておきます。

今回は博多駅から宮崎駅まで、大人2名で利用しています。合計金額は写真の通り、グリーン券が13,580円、乗車券が7,370円です(※2023年9月現在)。写真にはありませんが、実際にはもう一人いるので乗車券は合計で2枚購入しています(なので、7,370円x2名=14,740円)。

グリーン券の内訳は、特急料金が301km以上なので2,600円×2名で5,200円。これは乗車人数分の自由席特急券の金額ですね(ここがわかりにくい・・・そして、人数によって増減する金額)。さらに、グリーン個室料金は201km以上で8,380円。こちらは人数にかかわらず同額です。

2023年の改正で自由席特急券の料金が大幅に上がってしまったので、若干の割高感は否めませんが、それでも長時間個室貸し切りできてこの価格ならば意外と安いかなといったところではないでしょうか。まあ、一人だと割高感ありますけど、それはそれで楽しそうですし、それもまたありかと思います笑


続きます。

 

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