3年前のゴールデンウィークに、まだ購入したばかりのDAHON DovePlusを持って、日本三大秘境のうちの一つ、宮崎県椎葉村の奥地から自転車で帰ってくるサイクリングに挑戦しました。
当時はまだDovePlusで、しまなみ海道を初めとした長距離サイクリングをやったことがなく、最後まで走りきれるかどうか不明だったこともあり、全行程のちょうど中間地点である美郷町西郷某所で終了してしまったのですが、あれから3年、再度、椎葉の山奥から日向市の海岸まで走ってみることにしました。
今回も日向市から宮崎交通の長距離路線バスに乗って上椎葉まで向かいます。前回とほぼ同様の行程なので、この路線バスに関する詳しい内容については前回のブログを参照して頂ければ幸いです(前回はバスだけで1記事書いてます笑)。
前回と唯一異なる点と言えば、前回は始発の日向イオンタウンから乗ったのに対し、今回は日向市駅から乗ってみました。別に、わざわざ始発から乗る必要も無いですし。
ここから約75km先の上椎葉まで向かいます。75kmというのは普通の路線バスにしては長距離な路線で、たとえば東京の長距離バスの一つである奥多摩駅から丹波山村まで行く西東京のバスでも25km程度なので、レベルの違いが分かるかと思います(関東圏の人じゃないとピンとこないと思いますけど)。
75kmといえば、奥多摩から丹波山村を越えて甲府市まで行けるぐらいの距離だし、西武池袋線で池袋駅から西武秩父駅、新宿駅から小田原駅ぐらいの距離に相当するので、その辺と比べてみると、なかなかの長距離路線であるかと言うことが実感できるでしょう。
そんな長距離バスに乗ること2時間40分(信号がないので速いといえば速い)、椎葉村の中心地である上椎葉バス停に到着です。
バスを降りたらDovePlusを展開して、日向市に向けて出発です。
ちなみに、コースも出発時刻もほぼ同じなので、もし興味があれば、椎葉村~諸塚村にかけての行程は前回のブログも参照してみてください。
ほぼ下りとはいえ、目的地が75km先となると途方も無い感じですね。しかも、長距離走れるロードバイクやクロスバイクなどならいざ知らず、我が相棒はDovePlus。まあ、似たようなことは半年ぐらい前にも島根でやっているし、途中までは3年前にも走っているので、パンクやその他トラブルでも無い限りは走りきれる自信はあります。
透き通るような川の水面。めちゃくちゃ綺麗。
今回は距離もあり、できるだけ早いうちに日向市の街中へ戻りたかったため、基本的にはバイパスを通っています。しかしながら、ところによっては自転車走行不可の区間もあったりして、そういうところは旧道を通ることになります(詳細は前回のブログ参照)。
以前走行したときは気づかなかったのですが、この椎葉村の中心地を流れる耳川はダムが多いですね。福島県の只見川のような感じでした。
ここで椎葉村は終わり。
3年前よりも酷道区間がさらに減少し、ほとんど改良された高規格道路が整備されたおかげで、自転車的には走りやすくなったと思います。酷道好きとしては寂しさもありますけども、道路が改良されて便利になることは良いことだと思いますよ(それに、九州屈指の酷道、国道265や388号線は今後も酷道的には安泰っぽいですし)。
諸塚村に入って最初に登場するダムがこちらの塚原ダム(Tsukabaru-dam)。歴史のあるダムだけあって何度見ても見応えがあります(もう5~6回ぐらい見に来てる)。
塚原ダムから先は酷道的な箇所もなくなるため、ここから先はスピードを上げて進んでいけます。まあ、標高が下がっていくにつれて勾配も緩やかになっていき、それだけ脚力が頼りになるわけですが、この日は気温もそれほど高くなく、また、事前準備もしっかりやっていたおかげで、ペースを崩すことなく進んでいくことができました。
諸塚村の中心地にあるコンビニで食料を調達して、先へと急ぎます。
国道327号線は縦長な諸塚村の南端をかすめるように通っているため、椎葉村ほどがっつり付き合うこともなく、次の町の美郷町(旧・西郷村)へと入っていきます。
前回はこの少し先で終了してしまいました。でも、今回は最後まで走りきりますよ・・・!
この山須原発電所のあたりまでは対岸が諸塚村で、そちらにも道路が整備されています。いつもなら交通量の多いメインルートは避けて裏道を使うことが多いですが、この国道327号線は交通量が少なく、大抵の区間で歩道や自転車が通れるぐらいのスペースも整備されているため、基本的には国道を走行しています。
小振りな西郷ダム。
西郷ダムから4kmほど、北郷村からやってくる国道388号線と合流したところで、川の反対側を眺めてみると、たくさんの鯉のぼりが・・・!
こういう山間部だと川の上に鯉のぼりを飾る地域は多いですけど、こうやって田んぼのど真ん中に並べるのは珍しい気がします。
観光客よりも地元民がちらほら見学に来ていてて、無人状態を狙うのが地味に大変でした。
鯉のぼりを眺めつつしばし休憩の後、出発します。
長崎には南風崎(はえのさき)、沖縄に南風原(はえばる)という地名があるので「はえのたに」とでも読むのかな?と思ってよくよく見たら「まじたに」。この辺も難読地名が多いなぁ。
ダム湖の反対側に見える建物群は石峠レイクランドというレジャー施設。温泉もあるのでひとっ風呂浴びたくなるところですが、ここで温泉などに入ってしまうと動けなくなる可能性も・・・というより、時間的に厳しくなってきているので涙を呑んでスルーします。
日本の西の果てにある宮崎県は日が暮れるのも遅く、こんなに明るいにもかかわらず、既に時刻は17時を過ぎていたりするのですよ。
石峠レイクランドの前に広がるダム湖を形成する大内原(O-uchibaru-dam)ダムのところで最終目的地の日向市に入ります。とはいえまだ旧東郷町の区域であり、日向市の市街地はまだまだ遙か彼方だったりしますが。
国道446号線との合流地点にある道の駅とうごうまでやってきました。
この辺まで来れば路線バスの本数も多くなり(1日10本ぐらい)、いつでもリタイア可能になりますね。とはいえ、ここまで来たらパンクでもしない限り最後まで走るしかないですよ。
道の駅とうごうの先に、少し変わったデザインの橋がありました。鉄道橋みたいなので何かの廃線跡っぽくも見えなくはないです。ただ、国鉄も森林鉄道も敷設されていた形跡がないので、初めからこういう橋だったようですが(あまり深く調べていない)。
地元の人が「切通」と呼んでる小さい峠を越えれば、日向市の市街地もすぐそこ。てか「切通」のくせに、全然切れてなかったです笑
振り返った青看板を見れば「椎葉72km 諸塚46km」・・・よく走ったわ。
日豊本線をまたぐ跨線橋を越えると・・・
猫が居ました笑
じゃなくて、この跨線橋を越えると国道10号線へとぶつかり、椎葉村から長々と付き合ってきた国道327号線の終着点となります(国道の定義としては起点だけど、誰も気にしない)。
ここで切り上げても良かったのですが、ここまで来たら海が見たい! と思ったので、さらに先へ進むことに。
新生町交差点から2.7km程度で、ついに目の前には太平洋が!
時刻は18:45。さすがに暗くなってきましたね・・・でも、なんとか日が暮れる前に到達できました。ありがとうございます。
そして・・・ここでなんと、パンク発生!
最後まで走りきってからのパンクとは、本当にもう我がDAHON DovePlusさん、やり遂げた感じですねぇ・・・お疲れ様です!
と、いうわけで、前回完走できなかった椎葉村から日向市までのサイクリングを、3年の時を経て、走りきることができました。万人には決してお勧めできませんが、体力と気力に自信がある折りたたみ自転車オーナーの皆様には、機会があれば是非とも挑戦して頂きたいコースでした(アクセスのことを考えると、前回の宮崎→日向の方がチャレンジしやすいですけどね)。