NISHISAITAMA PROJECT

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自転車で佐伯町から山を越えて錦町

岩国市の山間部の地図を見ていたら、錦川鉄道の終着駅がある旧・錦町と、広島県西部の廿日市市佐伯町の間に本郷村という村がかつてあったことを知りちょっと行ってみたくなったので、いつものごとくDAHON DovePlusで行ってみることにしました。

この本郷村は最寄り駅が錦川鉄道河山駅ですが、よくよく見ると広島県側の佐伯町からわりとすぐ行くことができ、しかも標高差もそれほどなさそうだと言うことが地図上から判明したので、以前、小瀬川の川沿いに下っていった時と同じルート佐伯町までバスで行ってから、山越えするアプローチを考えてみました。

まずはJR山陽本線宮内串戸駅まで移動して、そこから路線バスで佐伯町を目指します。



令和3年10月より、廿日市市から路線バスの運賃に対して特定の区間で補助が出るようになり、かなり割安で利用できるようになりました。乗客自体は前回と大差なかった気がしますが。

nh-times.jp







終点手前の佐伯文化センターバス停で下車して、DovePlusを展開します。ここからいくつか山を越えて山口県の錦町を目指します。


今回のルートはこんな感じ。オレンジがバス、緑がチャリ、青が鉄道での移動です。




前回と同様に、小瀬川に沿って浅原まで行きます。しばらくは川沿いを下っていくため、とても軽快ですね。



小瀬川沿いに川下りするならここで左に曲がりますが、今回は本郷村や錦町を目指すため直進し、正面に見える山を越えていきます。つまるところ、ここから登り坂となるわけです。



広島県側最後の集落です。ここまでは道幅も広く勾配も緩やかな道が続いているので、DovePlusでも、まあまあ余裕ですが・・・



「岩国方面大型車通行困難」。ここから本番です・・・というか、いつもこの手の標識を見て思うのですが、こんなところで「大型車通行困難」と言われても、Uターンすること自体が困難なのでは・・・



県境へと向かう狭い険道ならぬ県道2号線。走行する車も、軽トラやオフロード車みたいな車が多かったので、メインの使用者は地元民以外だと“そっち系”の人が大半のように思えます。



そして、峠でも何でも無い中途半端なところでいきなり県境で、この先は山口県岩国市の旧・美和町となります。

ただ、歴史的に見れば意味のあるところらしく、ここにはかつての山代街道の関所跡があり、それを山口県方面から取り囲むように集落が形成されています。



観光地化された見所というわけではなさそうだったのと、それなりに坂を下る必要があったということで関所跡自体は拝見せずに先へ急ぎましょう。

名も無き小さな峠を越えると秋掛という集落にたどり着きます。



この、生見川に沿って下っていけば、以前立ち寄った生見川ダムへいずれたどり着くことができますが、今回の目的は本郷村に行くことなので、川を渡って再び目の前の山を越えることになります。本日2度目の峠越え・・・

広大なメガソーラー発電所建設現場の横を通り過ぎ、これまた国土地理院命名していない名も無き峠を越えると、立岩や阿賀という集落がある下畑川沿いの下り道となります。

というか、こんな山の上にこんなメガソーラー発電所なんて造ったら、大雨の時に酷い災害になるような気がしますが・・・まあ、部外者の我々が口出しすることではありませんね。



下畑川も行き着く先は生見川なので、もう一発峠越えします。本日3度目の峠越え!



峠越えとは言っても、比較的平坦な山が連なる地域であり、言うほど大変ではないのですが・・・



こんな感じの険道づくしのルートなので、別の意味(アップダウンではなく荒れた路面的な意味)でハードな気がします。




雲照寺峠を越えれば、旧・本郷村です。

曲がりくねった苔むした道を慎重に下りながらしばらく進むと県道59号線岩国錦線にぶつかり、少しその県道を遡れば、本郷村の中心地に到着します。



今まで通ってきたどの集落よりも規模が大きく、さすがはかつての村の中心地だけのことはあります。



ここが路線バスのバスターミナルのような場所になっているので、その気になれば路線バスで訪問することもできそうですが、到達難易度はそれなりに高そうな予感。



赤い石州瓦の屋根が多いのも、この辺独特の風景ですね。

・・・

さて、この辺でそろそろ撤収しましょうか。ここから先は本郷川に沿ってひたすら下り、錦川を目指すことになります。



本郷村と美川町を結ぶメイン道路は改良工事もほぼ終わり、一部の区間を除けば全線に渡って二車線の広い道路になっています。



「なんか鉱山とか炭鉱によくある建物っぽいのがあるなぁ」と思って調べてみたら、ここはかつての河山鉱山という硫化鉄鉱などが取れた鉱山の跡地らしいです。というか、事前に知っておけばもう少しいろいろ見て回ることができたのに惜しいことしてしまった・・・!

(今思い返してみれば)鉱山住宅のような建物の脇を高速で駆け抜けると、数分で錦川と国道187号線にぶつかります。対岸には錦川鉄道の線路もあるようです。



このすぐ左側には錦川鉄道河山駅がありますが、時刻表を見てみると次の列車まで1時間以上も時間があるようなので、時間つぶしも兼ねて終点の錦町駅までもう少し行ってみることにしました。



錦川はやはり大きく、そして水も綺麗! 川沿いの国道は勾配も緩く、快適なサイクリングも楽しめそうなのですが、この国道187号線はそこそこ交通量が多いので、DovePlusのような折りたたみ自転車だとちょっと厳しいかもしれません。ここはロードバイクで一気に走り抜ける方が楽しめそうな予感ですね。



河山駅錦町駅の間にある柳瀬(Yanaze)駅。廃止になった三江線の途中駅のような雰囲気で、ここから錦川鉄道に乗りたい気持ちもありましたが、まだ50分以上待つことになりそうだったこともあり、やはり終点まで向かうことに。



錦町駅に到着! 佐伯町から40km程度の道のりでした!

DovePlusを輪行袋に収納して切符を買って錦川鉄道に乗り込みます。



今回乗ったのはこちらですが・・・



こんなのも走っているようですね。横にさりげなく「烏山線」のイラストがそのまま残っているのが面白いと言えば面白い。



定刻に出発した錦川鉄道は、錦川に沿って岩国を目指します。ちなみにこの日は座席がだいたい埋まる程度には乗客が乗っていました。



そして、終点まで乗らずに途中の清流新岩国駅(旧・御庄駅)で下車します。そうです、お乗り換えとなります。



新幹線高架下の乗り換え通路を歩くこと数分で、新岩国駅に到達します。Wikipedia曰く「基本的に乗り換えは考慮されていない」とのことですが、今回乗った錦川鉄道は比較的乗り換えを考慮してあるダイヤだったように見えます。待ち時間は30分弱ありましたけど、乗り換えで約10分、切符を購入に5分(券売機が少なく窓口が1つなので、下手するともっと時間がかかる)、ホームで15分待機って事を考えればちょうど良い時間のような気がします。



いわゆる「こだまレールスター」で帰りましょう。

前回徳山に行ったときと同様に、近距離で安い新幹線切符を発売してくれたおかげで新岩国から広島まで1000円で移動できました。錦町駅から広島駅を在来線で向かうと1840円ですが、この割安きっぷを使えば新幹線利用で1890円なので、金額的な差はほぼなく、それでいて1時間以上早く到達できるので有り難い限りですね。

とまあ、そんな感じで広島や山口の山の中を自転車でさまよいつつ、ローカル線の旅をくっつけて、最後に新幹線まで乗るというコンパクトで充実した輪行旅を楽しむことができました。

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