11月の某日、親戚がらみの用事で急遽、北海道の富良野に行く用事ができあがったので、数年ぶりに札幌から函館本線→根室本線を使って行ってみることにしました。
普段は基本的に北海道の道内を移動するときはレンタカーを利用するのですが、北海道は11月になると平地でも雪が積もるような土地柄なので、安全のための鉄道で移動してみました。それに、根室本線の一部区間がいつ廃止になってもおかしくない状況なので、乗れるときに乗っておきたいというのもあったのです。
まずは新千歳空港から札幌駅まで千歳線で移動し、旭川方面へと向かう特急に乗り換えです。
最近では在来線特急といえばJR九州の特急ぐらいしか乗っていなかったため、久々に出逢ったJR北海道の特急は新鮮な感じ。こうしてみると、なかなかかっこいいデザインですね。
今回は仕事でもなければ車も自転車にも乗らないので、思いっきりビールを飲みながら駅弁タイムです。特急車内もかなり空いていたので弁当を楽しむには申し分ないのですが、JR北海道の経営的には心配せざる得ない状況ではあります。
石狩平野を爆走すること1時間弱で滝川駅に到着。速い!
富良野方面の根室本線は1時間ほど待ち時間があるので、それまで滝川市内でも散策してみましょう。最後に市内を歩いたのは札沼線に乗って新十津川駅に行ったとき以来か・・・札沼線も廃止になってしまったなぁ。
↑前回、滝川駅周辺に訪問したのは10年前でしたね・・・!
平日の午後3時という時間帯でこの状況。四国や九州の地方都市に比べても人が少なすぎと思わざる得ない光景。まだ西日本の方が活気があるように見えます。これが北海道の現実なのか・・・
富良野方面の列車の発着時間が迫ってきたので駅に戻って、列車待機です。
サボと呼ばれる行先標って、もう完全に日本から消滅したものだと思っていたのに、まだ使われていたとは・・・JR西日本の気動車だと側面にもLED行先標があるのに、JR北海道の気動車にはそれがないから、今でも手作業で対応せざる得ないんでしょう(言われてみればJR九州の日南線あたりもサボがあったような気が)。
地元の高校生やおばちゃん&老人を合計30名ほど乗せて出発です。意外とといっては失礼ですが、それなりに地元民も乗っていた(逆に観光客やビジネス客はいなかった)ので、少なくとも滝川から富良野までは、まだ需要はありそうな感じです。
ほとんどの乗客は、上芦別までに下車してしまい、富良野まで乗り通したのは自分含めて3名でした。
自分が小学生前後の頃は毎年のように訪問し、観光客ではなく地元客で賑わいを見せていた記憶のある富良野駅。今はシーズンオフの平日なので閑散としていますが、今後もこんな状態が続くと、いずれなくなってしまうのではなかろうか。
・・・
富良野での所用を終え、再び根室本線に乗り込んでさらに先へと進みます。
農産物の出荷シーズンということもあってか、JR貨物の貨物列車も停車しています。地方ローカル線はもっと物流面での活用ができれば生き残れる可能性はありそうな、なさそうな。
では、新得方面へと向かいましょう。ただ、2016年の台風の影響で東鹿越から新得まで運休している関係上、鉄道で到達可能なのは東鹿越駅までですが。
この日は土曜日だったこともあり、どちらかというと乗る事が目的の乗客、いわゆる乗り鉄を10名ほどと、地元客を数名乗せて富良野駅を定刻通りに出発です。ちなみに11時の代行バスに限り、富良野駅と新得駅をノンストップで結ぶ便があるので、移動を目的としている乗客はそっちを使っている可能性があります。
空知川を渡る列車。ここは長大な橋で渡る大きな空知川というイメージだったけど、いざこうして渡ってみるとそうでもなかったなぁ・・・小学生の頃の記憶とのギャップが激しい。
祖父母宅や親戚宅がある山部駅をすぎれば、大きな街もなくなります。仮にこの区間が廃止になったとしても、最悪でもここまでは線路が残ってくれると嬉しいところ・・・厳しいか。
人影もまばらな山間部をゆっくり進んで行くと、金山駅をすぎたあたりで長いトンネルに突入し、そのトンネルを抜ければ、かなやま湖の湖畔が車窓に広がります。
かつてあった士幌線の糠平周辺もこんな車窓だったんでしょう。
そして列車は東鹿越駅に到着します。
ここで代行バスに乗り換えます。
高速バスのような代行バスに乗って、狩勝峠を越えましょう。ちなみに乗客は7名程度で、一人を除き新得まで乗車しました。
まずは東鹿越駅のお隣、幾寅駅にお立寄り。鉄道員(ぽっぽや)のモデルになった駅で、今でも当時のセットなどが残っていて、駅名も「幌舞駅」のままです。完全にもう鉄道駅ではなくモニュメント的な施設と化していますね。
個人的には東鹿越駅から幾寅まで簡単に復旧できるのでは?って思っているんですけど、乗客減&JR北海道の経営難のダブルパンチでそれすらもできないんでしょう。幾寅駅の鉄道信号システム的にも折り返し運転ができないようにも見えます。
国道38号線を南下して行きます。今はもう鉄道が走ることのない線路がときたま現れます。
落合駅をすぎれば峠越えの道になります。碓氷峠旧道のような酷道ではなく、ゆるいカーブが続く走りやすい道なので、バスは速度を落とすことなくスルスルと峠道を進んで行きます。
狩勝峠にはバス停などないのでここは通過。そういえばこの峠道は何度も通ってるのに、バスで通過したのは人生初。
その後、休止中のサホロリゾートを経由して新得駅へと進みます。
新得駅到着です。
乗客数や、かかる時間を考えると、富良野から先は代行バスでも十分対応できてしまいそうなところが悲しいですが、それでも何とか復旧して欲しい狩勝峠越えの区間でした。JRが高速道路会社みたいに3分割で、北海道がJR東日本とセットだったら、もしかしたら今頃復旧していた・・・のかな?
といったところで切りが良いのでいったん区切って、続きます。