鉄道マニアと一口に言っても、いろいろな種類の人間がいると思うんですね(もちろん、他の分野でも言えることだけど)。カメラ片手に写真を撮りまくる人もいれば、走っている車両の○○系が云々と語り出したら止まらない人もいれば、模型が好きな人、綿密に計算したルート通りに効率よく乗り尽くすことに喜びを感じる人もいるでしょう(俺が思うに、前2つが大半を占めている気がする)。
俺はまさしく一番最後の人にあたるんだけど、そういう乗りつぶし以外にも興味があるのが、レールなんです。だって、おまえら鉄道鉄道っていうけど、それはみんな車両であって、線路じゃないだろ? 鉄道というのは鉄の道であって、本来は2本の鉄のレールのことを差すんだよ!?
とまでは強く言いませんが、まあ俺は線路を眺めているのが好きだったりします(廃線跡を探すのが好きなのもこれに入るんじゃないかなと思っている)。
それはともかく昨日の続きですね。
亀山駅からスタートです!
関西本線に乗って、向かうはここ。
河原田という、何の変哲もない小さい無人駅で下車。ここで降りたのは、別の鉄道に乗り換えるためなんです。
まあ、一般的な皆さんならここで「ああ、伊勢鉄道か」と思うに違いありませんが、そうではありません。ちょっと歩くんですが、近鉄のとある駅まで行きます。
住宅地の中を歩き・・・
県道をさらに進み・・・
河川敷の土手をさらに歩きます。天気は微妙な曇り空だけど、涼しくて快適でした。なんせ、出張用の荷物がごっそり入っているから、普段だったら荷物の重さで汗ぐっしょりです。
振り返ると・・・
遠くには四日市のコンビナートが見えますが、コンビナートとは逆方向の山の方に向かって歩きます。
河原田駅からちんたら歩くこと40分ぐらいで、内部(うつべ)という街に到着です。
今回の『移動』の最大の目的はこれといっても良いでしょう。なぜわざわざこんなところまでやってきたのか、それはこの「近鉄内部線」に乗るためだったりします。
いやいやこれ、凄いんですよ。何が凄いかって、これ
「ああ、なるほどな」と思ってくれた人がいたら、俺と3時間ぐらいは余裕で語り合えると思います。この内部線は日本でも大変珍しい、ナローゲージの軌間762mmの鉄道なんです。
日本各地を走る鉄道のレールの幅、つまり軌間はJRや大多数の私鉄が1067mmのいわゆる三六軌間と呼ばれている狭軌がほとんど。新幹線の他、京成や近鉄などが1435mmの標準軌で、あとは他にもあるけど基本的には幅が1メートル以上あるんですね。
昔は762mmの鉄道もたくさんあったらしいんだけど、幅が狭いと大量輸送も高速運行も出来ないわけで、乗客の多い鉄道は幅を広げ、逆に乗客の少ない鉄道はどんどん廃止されてしまって、今ではとっても珍しい軌間になってしまったというわけです。はい、どうでもいい知識ばっかですね俺は。
で、この大変貴重な762mmの軌間を持つ鉄道のうちの2路線が、この三重県四日市にあるという情報を得ていたので、これはまたとないチャンス! てなわけで、わざわざ時間を作って見学&乗りに来たのでした(あとは、同じく三重県を走る三岐鉄道北勢線と富山県の黒部峡谷鉄道ぐらいしかない)。
そんな蘊蓄話はともかく、さっそく乗ってみましょう(↑これでも内容の半分ぐらい削った)。
どことなく、一般的な鉄道車両よりも小さい感じがします。
中はバスみたいな感じ。大江戸線より広く感じるのは、ただ単に人が乗っていないだけかな?
さっそく発車~
うむ。予想通りといっては失礼だけど、線路の幅が狭いからか、良く揺れる揺れる。しかもスピードも全然出ないので、なんというか、一種の遊園地のアトラクションのような感じだな。いやいや、未だにこんな鉄道が残っているなんて、凄いことだと思いますよ?
地元住民から見れば不便きわまりないんだろうけれど、それを逆手にとれば、盛り上がるような気がしないでもないな。
でも、乗客数は土曜日の昼過ぎだというのにそれなりに多く、これぐらい乗っているなら、現状でも十分で、むしろもっと快適サービスを提供するために、レール幅を広げちゃったほうがいいのかもしれないなとも...まあ、難しいところです。
...
あっという間に、終点が近づいてきたので、とりあえず最後まで行かず、途中の日永で下車。ここは、内部線と八王子線の乗換駅だったりします。
そのまま乗り換えても良かったけど、時間もまだあったので、せっかくだから途中下車で周辺散策と行きましょう。
八王子線の終点、西日野駅まで線路沿いの道を歩いて移動します。
そうそう、線路の幅が~と言ってるけど、どんだけ違うのか、ちょいと紹介しましょう。
まず、1435mmがこれ。
次が、良くある1067mmの線路。どうでもいいけど、長野電鉄屋代線です。
そんでもって、これが今回の近鉄内部・八王子線の762mm
あ、踏切内で立ち止まっての撮影は禁止らしいんですが、今回は見逃してください!
とにかく比べてみると、何となくわかるんじゃないかなと。だからどうしたってところなんでしょうが、こういうところにロマンを感じとれr(略
適当にふらふらと川沿いの歩道を歩き続けると...
西日野駅に到着。
そして、ここから八王子線に乗って、改めて四日市へ移動です。
で、四日市到着~。
なんでこの路線が今でも生き残っているのか。それは、日永から西日野まで歩いてよくわかったね。というのも、この辺ってどこ行っても道が渋滞しまくりで、車やバスだと、市街地に出るのが一苦労しそうな感じ。一方鉄道ならすぐに街中まで行けるし、しかも本数も地方都市の路面電車並に多く、運賃もわりと安い。これなら十分生き残れます。
と、乗ってみて納得。歩いてみて納得。いろいろと楽しむことが出来ました。ちょっと不思議なこの路線、軌間なんてどうでもいいよと思っている皆さんにもぜひオススメしたい路線ですね。
さて...
近鉄四日市。
と、俺の四日市までの『移動日記』でした。なんか普通に旅行している感がいっぱいですが、気にしないでください!