最近、離島に渡ってないなぁと瀬戸内海の地図を眺めていたら、広島から比較的近いところにある柱島群島が目にとまったので行ってきました。
柱島群島はいくつもの島々がまとまっていて、そのうち、柱島、端島、黒島の3島が有人島となっています。そしてそれらの島々へは岩国柱島海運のフェリーで岩国から渡ることができます。
そのフェリーの時刻表を確認してみたところ、土日や特定日に限り、1日ですべての島をまわることができるようにダイヤがくまれていたので、3島まとめて訪問してみました。
さらに調べてみると、フェリーの発着ターミナルとなる岩国港は岩国駅からバスで行けるようですが、地図上では岩国よりも一つ広島寄りの和木駅から徒歩で行ける距離だったので、まずは和木駅を目指しました。
朝6時半過ぎの和木駅。さすがに下車する人もまばらですが、18切符シーズンだったためか、電車はそこそこ混雑していました。
和木駅東口から少し歩くと国道2号線に出て、道なりに歩くこと30分弱で岩国港にたどり着けます。ちなみに和木駅から港までの道中コンビニは一切無いので、食料などを確保するなら出発前に予め確保しておいた方が安全です(一応、柱島には店があるのでなんとかなる一方、黒島と端島には店や自販機はありません)。
ここでフェリーの切符を購入し、船に乗り込みます。先ほども書いたとおり、土日や特定日に限って1日で全島巡る事ができるので、今回は岩国港→黒島→柱島→端島→岩国港というパターンで行きましょう(ちなみに端島→柱島→黒島も可能)。
黒島行きの切符を片手にフェリーに乗り込みます。小さい船なので、ゴールデンウィークや盆暮れ正月は満員で乗れないこともあるらしいです。そういうこともあるので特別何か理由が無い限りは、普通の土日に訪問した方が良さそうです。
岩国港から黒島へ渡る途中、面白い島が見えるので紹介しましょう。
甲島(かぶとじま)という何の変哲もない無人島、なんとこの島、小さい島なのに中央に県境がある珍しい島なのです。詳細はwikipediaなどを参考にしてみてください・・・まあ、見た目は何の変哲も無い無人島なので、特に気にせず寝てても問題ありません。
そうこうしているうちに岩国港から40分弱で黒島に到着です。上陸しましょう。
黒島はwikipediaにも情報がないぐらいのマイナーな島で、2011年の時点で人口は34名だそうです。集落も港を取り囲むようなところに一カ所しかなく、空き家や廃墟も目立ちます。
次のフェリーが来るのは2時間半後なので、島内歩けるところをくまなく歩いてみますか、
まず行ってみたのが島から東へ突き出した半島の先端にある荒神社。おそらく埋め立てて陸続きにしたような小さい山の上にあります。
崖に鳥居がくくりつけられているように見えたのですが、よく見るとものすごい急な坂が続いていて、這うように登ってみるとそこには小さい祠が。
足場の悪いところなので、訪問するときは要注意ですけど、こういう特異なスポットがあるのもこういう小さい離島の面白いところだと思いますね。
再び集落に戻り、グーグルマップでは道に指定されていた山沿いの小道を歩いていると大きな供養塔があったのでお立寄り。
何かと思って説明文を読んでみたら、なんと戦時中にこの島で空襲に遭って亡くなった島民、しかもその多くが小学生だったという悲惨な出来事を伝える碑でした。こんな小さい島にも空襲があったとは恐ろしい。
供養塔のすぐ隣に島の規模のわりに立派な神社があったので参拝してきました。
ちょうど桜の時期だったので、小ぶりながらも見事な桜が満開でした。
しっかりした石段を駆け上がると本殿があったのですが、それよりも気になったのがこれ。
鉄球と錨の間にあるのは間違いなく砲弾。中に火薬は入っていないとは思いますが、なんでこんな物が転がっているんでしょうか(この辺の離島には良くあるんですが)。
神社のさらに隣に島一番の大きな建物が見えたので、軽く眺めてみました。
黒島小中学校。1994年から休校状態だとか。
学校から先はもう道がなかったので、改めて地図を確認すると、山の方へ続いている道があったのでそちらにも行ってみました。
が、山の稜線に出たところで農作業をしていたお婆さんに話しを伺ってみると、左に行っても何も無いけども、右に行くとジャングルのような道が続いているとのこと。その先には昔の日本軍が作った倉庫みたいな物があるらしく、そこまで行ってみてはどうかとのことだったので、そのジャングルに足を踏み入れてみました。ところが3月末の一番草木の勢力が弱い時期だというのに、あまりのヤブの深さに断念。たぶん人口が減りすぎて、こういうところを手入れする人すらいなくなっているのでしょう。
この日は数日前に痛めた右膝がまだ完治しておらず、悪路を歩くのが辛かったので、この辺で引き返しました。それに・・・
今まで見たことないぐらいの巨大なシマヘビが行く手を遮っていたので行くのを諦めました。高校生の頃だったらその辺の棒で頭を抑えて捕まえるようなアホみたいな事もやりますが、もう大人なので危険なことはやりませんよ(シマヘビは毒は無い代わりに気性が荒いので気を抜くと噛みつかれます)。というか、こっちが棒で突っついても逃げようとしなかったので、殺る気満々だったのでしょう。
お婆さんが何も無いと言った左側の林道の終着まで歩いて何も無いのを確認し、島内の島をすべて歩き尽くして港へと戻ります。この時点で島に上陸してから1時間、あと1時間半は特にやることもなかったので、港の堤防で横になって寝てました。ちょうど季候も良い春先の晴れの日だったので、ぐっすり1時間熟睡できました。本来の離島の楽しみ方というのはこういうゆったりとした時間を楽しむ物なのかもしれません(まあ、楽しみ方は人それぞれです!)。
そして次のフェリーがやってきたので、それに乗り込んで柱島へと向かったのでした。
続きます