前回からの続きです。
であいの館で休憩した後、蒲刈大橋を渡って再び下蒲刈島に戻ってきました。この時点で14時前。時間的には余裕があるので、我がDAHON DovePlusで下蒲刈島を一周して帰りましょうか。
下蒲刈島の南側を走行していると、島が2つ見えてきます。こちらは左から上黒島、下黒島という無人島で、どちらも廃棄物処分場になっているとのことです。渡航手段でもあれば行ってみたいところですが、現在は無人島なので、誰でも使えるフェリーなどは航行していないらしいです。残念。
みかん畑と鄙びた漁村の組み合わせは、瀬戸内海の島って感じが出てて良いですね。これで天気が良ければ・・・・!
島の西側を北上して行きます。このあたりは無人地帯で、ときたま釣り客や反対方向からやってくる自転車乗りやバイク乗りとすれ違う程度となっています。とびしま海道のメインルートから大きく外れていることもあり、静かな離島の雰囲気を味わいたいならオススメのルートかもしれません。
海を挟んで向かいに見える街は小坪という地域。距離にして1kmぐらいしか離れていないため、この辺に踏み台にできる岩礁でもあれば、安芸灘大橋がこの辺にかけられていた可能性もあったかもしれません。
そして安芸灘大橋が見えてくれば、下蒲刈島一周コースもそろそろ終点です。このアングルから見る安芸灘大橋が一番迫力あると思いますね。
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さて、安芸灘大橋を渡りきって本土側に戻った時点で15時すぎ。今日は下蒲刈島一周+αで15km程度しか走行しておらず、ちょっと走り足りない感もあったので、もう少しだけ寄り道してみることにしました。
仁方駅から400メートルくらい進んだところにある仁方桟橋。
こちらは、安芸灘大橋ができる前までは、現在のとびしま海道が繋いでいる島々へ向けてのフェリーが航行されていた他、国鉄連絡船の仁堀航路という青函連絡船や宇高連絡船のような鉄道連絡船も発着していたフェリー乗り場だったようです。ここから四国に行けたとは・・・
とっくの昔に役割を終えてしまった仁方のフェリー乗り場ですが、建物内には自由に入ることができます。しかも電気や非常灯なども点灯している他、当時使われていた掲示板や名産品コーナーなども、そのままの状態で残されています。
フェリー廃止時点の運賃表が出てきました。当時はフェリーと高速艇があったようで、その金額までしっかりと残ってます。広島港から江田島に行くフェリーのように、いろんなところに行けたっぽいですね。
外には安芸灘大橋や豊島大橋が架橋される前の地図が残っていました。完全に時の流れが止まってます。
たまたまどこかの離島航路で使われているフェリーが係留されていました。現役だった当時はまさに、こんな光景だったんだと思います。
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そろそろ帰りましょう。仁方駅の時刻表を確認すると1時間近く広島方面の電車が来ないようですので、本数が増える広駅より西側へ移動してから電車に乗ることにします。
仁方から呉市街地方面は、国道185号線を使ってまっすぐ西に行くルートの他、海沿いを抜ける道路があるので、今回はこの海沿いルートを使ってみることにしましょう。
交通量の多い国道185号線とは対照的に、ほとんど車も走らない県道279号線は、まるで離島のような雰囲気を残す海沿いの道路でした。対岸に見える島は下蒲刈島で、ついさっき自転車で走っていた部分ですね。
呉の市街地から比較的近いところに、こんな離島のような場所があったとは。
しばらく進んでいくと次第に集落の規模が大きくなっていき、長浜という場所に到達します。
街の規模の割に、そして道路や街の古さの割に道幅がやけに広いなぁなんて感じながら歩道を走っていたのですが、帰宅後に改めて調べてみると、1960年頃までは路面電車が走っていたとのこと。確かに、路面電車が道路の真ん中を走っているぐらいのサイズの道路幅です。
しかし、かつてはこんな小さい漁港がある程度の集落まで路面電車が走っていたとは。日本最大規模を誇る軍港を抱えていた戦前の呉は、今では考えられないぐらいの大都会だったんでしょう(ちょうどこの、長浜のあたりまで軍用地だったらしい)。
国道185号線と合流した後は、呉の中心地へと向かって突き進みます。
この国道は片側2~3車線の交通量が非常に多い道路ですが、広から西では、ほとんどの区間で歩道も広めに確保されていて、自転車でも安全に走行できます。
黒瀬川を渡って安芸阿賀駅の前をすぎると、数年前に2本目のトンネルが開通した休山トンネルの登場します。今から呉越峠や休山半島を廻る時間も無いので、このトンネルを使って呉駅までショートカットしましょう。
歩道と車道の間には仕切りがあり、排気ガスは全く気になりません。
トンネルを抜け、そのまま走り通せば・・・
呉駅到着です。ここからJRに乗って帰りました。
という感じで、とびしま海道お試しサイクリングでした。今回は、とびしま海道というか下蒲刈島と上蒲刈島のごく一部しか訪問できなかった代わりに、仁方やその周辺の普段なら立ち寄らないようなところもしっかり楽しめたので、これはこれで良かったのかなと思います。
ではまた、今度はがっつり晴れた日に、改めてとびしま海道に行ってみたいと思います!