前回からの続きです。
ほとんど人も車もいない豊島の南側をゆっくり走り抜けると、あっという間に次の島が見えてきました。
豊島は両隣の上蒲刈島や大崎下島に比べても小さく、1周10kmに満たない島なので、車に折りたたみ自転車を積んで、ここだけ軽く一周してみるとかでも楽しめるのではないでしょうか?
一つ前の豊島大橋に比べれば小規模な豊浜大橋を渡れば、4番目の島、大崎下島に上陸できます。蒲刈大橋と同じタイプのトラス橋ですね。
上蒲刈島と豊島では、それぞれメインとは異なる島の裏側を通るルートを選択してきましたが、大崎下島は裏ルートだと若干遠回りになってしまうため、ここではメインルートをチョイス。まあ、この辺まで来るとメインルートでも交通量も少なく、それほど気にならないので、何か特別な理由でもない限りは素直に道路のブルーラインとして呈示されたルートにしたがった方が良さそうです。
大崎下島のすぐ近くには有人離島の三角島(Mikado-island)があり、久比港からフェリーで渡ることもできます。時間が合えば行ってみようかなとも思ったところ、フェリー乗り場には「コロナ禍のため渡航は自粛願います」と書かれており断念。本土側や離島でも大きな島では、既にアフターコロナな感じでコロナなど過去の存在になりつつあるのですが、こういうマイナーで小さい離島へ自由に渡航できるようになるのは、まだまだ時間がかかりそうです。
ここで曲がれば愛媛県の岡村島に行けます。でも今回は隣の島へは行かず、御手洗方面へ直進。
平羅島との分岐点から1kmぐらい進むと小長港にたどり着けます。さらにあと3kmぐらい行くと、とびしま海道では随一の観光名所である御手洗まで行けますが、あと40分弱で大崎上島へ渡航するフェリーが出てしまうらしく、さっさとフェリーに乗ることに。
この待ち時間40分には公共交通機関を使う旅ではいつも悩まされていて、がっつり食事したり、軽く観光するには時間が足りない一方、ただ待つだけには少し長いみたいな、非常に扱いに困る時間ですね。
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フェリー乗り場に併設された道の駅を眺めたり、持ってきたiPadに入れた本などを読みつつ時間をつぶして、フェリーの出港時間をゆっくり待ちます。これもまた『島時間』という感じでいいじゃあないですか。
40分後、やっとフェリーが出港! 目指すは大崎上島!
今回、渡ることができなかった岡村島方面へ架かる「中の瀬戸大橋」をくぐっていきます。
平羅島と中ノ島の間を抜けると、今度は瀬戸内海の島々に囲まれた少し開けた明るい海域を進み、そして、わずか15分ほどで大崎上島の明石港に接岸します。
大崎下島や上島の他、とびしま海道の先端部分の岡村島周辺のみかん畑や島に架かる橋なども海上から眺めることができるこの航路はクルーズという意味ではなかなか楽しめるかと思います。数ある離島航路の中では短めではあるし、人間だけなら片道わずか330円で乗船できるので、特に意味も無く大崎下島と大崎上島を往復してみるだけでも満足できるかと思います。
さて、大崎上島に上陸したところで、時刻は既に13時過ぎ。小長港の道の駅で昼食を取り損ねたため、こちら側で食事を取ろうと調べてはみたものの、大崎上島の明石港付近にはそれらしき飲食店や道の駅のようなスポットはなく、カロリーを取ることだけに特化した不味い携帯飯で我慢しようと思った矢先、明石港のすぐ近くに島民向けの小さいスーパーを発見。
いかにも離島のスーパーという感じが素敵な明石ストアー。メインストリートからも外れてた集落内にあり、失礼ながら、Googleマップで下調べしていなかったら、見つけることすらできずに通過していたかもしれない建物ですが、この明石ストアーのおかげで昼食難民を回避することができました。
店内に入り、惣菜コーナーに置かれていたデカイお好み焼きを買って・・・
明石港の岸壁に腰を掛けて食べる!
広島のスーパーマーケットは、だいたいどこでもガッツリ系のお好み焼きがあって、そしてどこで食べてもハズレがないのが良いですね。ここのも美味かったです。
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大きなお好み焼きで腹も膨らんだところで、サイクリング続行。
明石港から北へ進み、時計回りで大崎上島の反対側へと進んでいきます。この辺はちょっとした峠越えとなり、doveplus的には厳しいところではありますが、食後の腹ごなしにはちょうど良い感じです笑
恋地トンネルを抜け、少し進むと・・・
薬研谷温泉ふれあいの館という町営の温泉が見えてくるので、お立ち寄りしてみましょう。
この温泉は広島では良くある放射能泉の一種で、言われなければ温泉とは分からないお湯ですが、45分ほど滞在していたにもかかわらず完全貸し切り状態という最高のお湯を頂けました。この温泉目当てでやってくるような観光客は皆無なようで、他のレビューを見ても「誰も来ない」という文字が並んでいます。
なお、風呂自体は大浴場と泡風呂、あとは泡風呂と同じ浴槽に打たせ湯があるぐらいで露天はともかくサウナすらない、いわゆる銭湯のような温泉です。とはいえ、お湯も綺麗だったし、310円という値段設定を考えれば十分満足できますね(経営的には心配になりますが)。
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温泉でリフレッシュした後は、大西港へ向けて一気にラストスパートです。
薬研谷温泉が山の上の方にある温泉なので、温泉から大西港まではほぼ下り一直線。
大西港到着です。
本日2度目のフェリーである、安芸津港行きフェリーに乗船です。
サイクリング後に温泉にも入ったおかげで、乗船後はすぐに爆睡し、気がつけば本土側の安芸津港が目の前に。
安芸津港と呉線の安芸津駅は至近距離で、わざわざ自転車を出すほどもなかったですね。まるで、鉄道連絡船の船着き場ような安芸津港と安芸津駅でした(宮島口駅と宮島口フェリーターミナルより距離が近い)。
ここでdoveplusを輪行袋に入れて、安芸津駅のホームへ・・・
ほぼ待ち時間なしで呉線に乗り、そのまま広島方面へと帰ったのでした。
※細かいルートは異なるので参考程度に・・・
今回は数々の大きな橋を伝ってとびしま海道の島々を進み、大崎下島から先はフェリーを乗り継いで、さりげなく温泉に浸かってから本土側へ戻るという、変化に富んだ楽しいサイクリングが楽しめました。鉄道がなくなれば自転車で走り、道路がなくなればフェリーを使い、いろんな手段を使ってひたすら先へ先へと進んでいくようなサイクリングは、やはり楽しいですね!
次回はまた、こんな感じでしまなみ海道を走れたら良いなぁと思いつつ、天気予報とにらめっこしながら有給休暇というカードをどこで切ろうかと思案中です。