広島市の目の前に広がる広島湾には、大小様々な島が浮かんでいて、その中でも特に大きい島の一つに江田島という島があります。
江田島は呉の方から倉橋島経由で架橋され、かなり昔から陸続きになっているにもかかわらず、令和の今でも江田島の各地へ渡ることができるフェリーがいくつも用意されている今時珍しい島なので、これらのフェリーに乗ってみるついでに、軽くDAHON Dove Plusで島内をちょろっと走行してきました。
まずは自宅から広島港まで自転車で10kmほどの道のりを移動です。
午前8時の朝ラッシュ時間帯は、30分待てばどこでも行けるぐらい賑やかな広島港。松山行き大型フェリーから小型高速船までよりどりみどりな航路のうち、一番人が少なそうだった切串港行きの切符を確保。
切串港の航路は国道487号線の海上区間を行く路線であるためか、マイカー輸送も可能なフェリー航路なので、当然ながら自転車でもそのまま乗船可能です。とはいえ、自転車を畳めば数百円の自転車料金が無料になるわけで、けちくさいながらも節約のために畳んでからの乗船です。
続々と入港してくる船。
似島や峠島の脇を抜け、30分程度で切串港に入港です。この絶妙な直線距離と航行時間のおかげで、陸続きになっていても広島市と江田島を行き来するフェリーが活況なのでしょう(フェリーを使えば9kmのところ、フェリーを使わないと60kmぐらいの超大廻りになる)。
今回は以下のルートで三高港まで目指します。距離にして24kmなら、ママチャリでもギリギリ頑張れそうですね。
切串港から海岸線ではなく県道297号線を使って真っ直ぐ山を突っ切っている理由は、江田島島内は今でも一部道路が2018年7月の豪雨災害の影響で通行止めになっている区間があり、また国道487号線経由のルートはトンネルが多くて自転車向きではないからです。ただ、自分以外に何名かいたサイクリングウェアをばっちり着込んだ自転車乗りのおじさん達はトンネル国道を突っ切るルートを選択していたので、そのルートでも問題ないのかもしれません。
切串は江田島の中でも最も広島市に近い場所であるため、広島の市街地がよく見えます。そのおかげか、海岸線は少し汚れていますけど。
クマン岳という山の横を一直線に突っ切る峠道を越えると、能美島と呼ばれる江田島の反対側が見えてきます。島としては別扱いでも、陸続きなので実質同じ島です(かつては別の島だったらしい)。
海抜ゼロメートルまで一瞬で下り、少し南下すると明後日の方向から国道487が合流してくるので、国道を使って江田島の市街地へと進みます。
江田島にある有名な海上自衛隊の施設などを横目に快走すると、能美島が迫ってくるので、今度はそちらへ進んでみます。この辺はチェーン店のファミレスやスーパー、ショッピングセンターもあり、離島らしさは全く感じられません。交通量もそこそこあって、その辺は陸続きの島らしさがあります。
とはいえ、それでも本州側に比べれば自動車の絶対的な量は少なめなので、サイクリングには最適ですね。それに、ママチャリなどで移動する地元のおじさん・おばさんや中高生も意外と多いです。
旧・能美町に入って小さい峠を越えれば中町港が見えてきます。中町港からだと高速船で広島港へ戻ることが可能ですが、高速船は自動車や自転車などの車両で乗り込むことはできないので、その場合はさらにここから10kmほど先にある三高港まで行く必要があります(自転車は輪行袋に入れればOK)。
休憩を挟みつつ、10km弱ほど進むと沖美町に入り、三高港のフェリーターミナルに到着します。
切串から24km、時間にして1時間半なので、だいたい15km/hぐらいですか。これは、しまなみ海道サイクリングするときの参考になりそうですね(ちかいうちにやってみたい!)。
では早速、帰りのフェリー切符を・・・と思って時刻を確認したら、次のフェリーまで1時間半弱も待ち時間があることが判明。一方、先ほどスルーした中町港から出る高速船なら待ち時間30分程度であることがわかったので、来た道を戻って高速船で帰ることにしました。
牡蠣筏。そろそろ牡蠣のシーズンですな。
来た道を戻る途中に、中町港よりも2km手前に高田港という高速船乗り場があったので、中町港まで戻らず、ここから広島港へ戻ることに。鉄道駅ぐらいの間隔でフェリー乗り場があるのは使い勝手が非常に良い!
いったんDove Plusを畳んで輪行袋に入れてから、高速船に乗船です。
高速船はフェリーに比べて値段的には1.5倍ぐらい高いかわりに、速度も倍ぐらい出るので、あっという間に対岸の広島港へと着岸です。
・・・
最後に広島港から自宅までは、また自走で・・・と思いつつ、フェリーターミナルを出ると、広電が止まっていたので、途中まで電車に乗ってみました。自分の好きな乗り物に乗りたいときに乗れるこの気楽さは小型ミニベロの素晴らしいところ。
ぶっちゃけ路面電車はバスはおろか、下手すると自転車よりも表定速度が低いので、今回のような状況で乗るメリットはほとんど無いんですけどね(広電はすべての電停で停車するため時間がかかるのと、自転車は川沿いを走れば信号もかなり回避できて速い)。それでも、新型LRTは座席の一部がクロスシートのようになっているので、これはこれで楽しいのですよ。
その後は本通電停で下車して、太田川沿いのサイクリングロードをかっ飛ばして自宅へと帰ったのでした。
今回の総走行距離は、自宅と広島港の往復を加味しても40km程度、距離的には全然物足りない感じだったので、次回は江田島を一周してみたり、お隣の倉橋島などにも渡ってみるのも良さそうです。