東京に住む友人が広島まで来てくれたので、一緒に広島県内を観光することにしたのですが、ベタな有名観光地をまわるのは面白くないと思ったのと、ダム巡りが好きな友人だったので、レンタカーを借りて広島や隣の島根県にあるダムをいくつか巡ってきました。
広島市内でレンタカーを手配し、まず向かったのが安芸高田市にある土師ダム(はじだむ)。分水嶺を越えるので広島市の近くであるにもかかわらず、日本海側の水系である江の川のダムです。
湾曲していても、アーチ式ではなく重力式のダムだそうです。
次に目を付けたのが、太平洋側に注ぐ太田川にある温井ダムです。温井ダムは西日本では最大級の規模を誇るアーチ式ダムで、広島県のダム巡りをするならば外すことのできないダムだと思ったので今回の行程には必ず組み込もうと思っていました。
で、この温井ダム、土師ダムから向かうとすると、すぐ近くにある中国自動車道を使えば一瞬で行けることができるところ、同行した友人が酷道という国道をまだ見たことがないとの事だったので、半年前にも通過した国道433号線を通って行ってみることにしました。
三次方面から入ると、この写真の地点までは国道らしい快適な道を走行できます。そうです、ここまでは普通の国道なのです。ここを越えると、お待ちかねの酷道となります。
対向車が来たらどう対処すれば良いのか悩むような幅員の道路が続きます。
険しい山ではないのでガードレールこそないとはいえ、落ちても死ぬようなことはなさそうです。ただ車がほとんど来ないところなので落ちたら終わりであることにはかわりませんが。
酷道区間の反対側の入口に到着しました。上の写真では、左が国道433号で右が町道となっています。ほとんどの人は案内がなければ右に行きそうですし、案内があっても右に行きそうです。
この先はたまに酷道らしき狭い道を挟みつつも、基本的に国道というか一般的な2車線道路が続きます。
突如として現れる分水嶺。標高はせいぜい500メートル前後だと思われます。分水嶺が2000メートル級の高山にあるような東日本に長く住んでいた人間からすると、こういうさりげない分水嶺でも、とても興味深い光景です。
分水嶺から少し進むと、次の酷道区間が登場します。
「これから先は道路幅員及びカーブが非常に多く脱輪し、通行できません。迂回してください」と警告されてます。でも、この時点で道幅が狭いので大型車はUターンすらできないのでは。
こちらも負けず劣らずハードな区間が続きます。酷道のお約束である洗い越しなんてのもあるので酷道好きなら楽しめるかと思われるのでオススメします。酷道などとんでもないって人は、さっきの看板でUターンして戻るべきでしょう。
小さい峠を越えてしばらく進むと集落が現れ、さらにそのまま谷に沿って下っていくと加計の街に到達します。そして少し進むと巨大な温井ダムが現れます。
見事な曲線美。しかもこのダムは、ダム内に設置されているエレベータを使ってダムの下へと行くこともできます。
ダム内はとても涼しい。
高さ156メートルのアーチ式ダムは、黒四で有名な富山の黒部ダムに次ぐ高さで、日本では2番目。実際に真下で見上げてみたり、真上から見下ろしてみるとその大きさに圧倒されます。
特定の時間に訪問すると観光放流を鑑賞することができるのですが、あいにく時間的に無理があったので今回は諦め、ダムカードだけ頂いて先へと進むことにしました。
続きます