NISHISAITAMA PROJECT

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立岩ダムから国道488号線を抜けるドライブ

緊急事態宣言解除されたこともあり、やっとある程度は遠出ができるというわけで、天気が良かったとある平日の午後に午後半休を取得して前々から興味があった、太田川の源流付近までドライブしてきました。

「源流付近」とは言っても、太田川の源流まで広島から高速道路を飛ばせばすぐに到達できるぐらいの距離なので、午後半休の時間でも車で回れる範囲ならば十分楽しむ事が可能なのです(乱暴に計算すると、山陽→山陰の広島市から島根県浜田市まで、高速道路を法定速度で走っても1時間ちょっとで到達できる距離なので、その中間地点なら30分程度で行けるはずという計算・・・ちょっと乱暴すぎるか)。

広島市内から高速道路に乗って、まずは戸河内ICまで移動します。戸河内といえば、かつて存在していた可部線の非電化区間の終着駅付近で、鉄道だと2時間以上もかかっていたようですが、高速道路を使えば1時間で行けてしまうので可部線が廃止になってしまったのもうなずけます・・・残っていれば何かと楽しかったんですけど。

おっと、そんなことより今はドライブです。

可部線末端部分の廃線跡に沿って、太田川の源流に向かって進んで行きます。かつての戸河内駅があった安芸太田町の町役場の少し先で国道191号線は支流の柴木川沿いに三段峡方面へと向かっていくので、この先は県道296号線吉和戸河内線を進んで行くことになります。

この広島県西部や山口・島根の県境を抱える中国山地の西側は、日本でも有数の酷道が揃っている土地柄であるため、国道よりグレードの下がる県道も無名ながらも県道ならぬ険道も揃っています。特にこの県道296号線もなかなかの険道で1~1.5車線の狭隘な道路がひたすら続いていきます。



入口はまだまだ道も広く、家屋もちらほらあります。



しかし、しばらく進むとガードレールなしの狭い道になります。崖っぷちではないので落ちても怪我するぐらいで済みそうですけど、慎重に進んで行く必要があります。ちなみに、かなり奥の方まで集落がある上、吉和方面への抜け道でもあるので、この手の道の割には比較的交通量もあるので要注意です。



小さいトンネルを抜けて、安芸太田町の最奥の集落をやり過ごせば、今回の目的地の一つ、立岩ダムが見えてきます。



立岩ダムの歴史はかなり古く、完成したのは戦前の1939年。ここまで古いダムだと、大きな人工の建造物であるはずなのに、周りの自然の一部のような風合いを醸し出していました。もう天然記念物と言っても良いのでは(それは言い過ぎ)。



誰も住んでいない山奥のダム湖は、とても静かで神秘的・・・まあ、この先にも人は住んでいるんですというか、吉和村(現・廿日市市)という村が丸々一つあるわけですけども。

ダムに満足した一行(俺一人)は、再び県道を突き進みます。途中に「瀬戸の滝→」という魅惑の道標をみつけるも、午後半休の限られた時間で到達するのは困難と判断したためスルーし、さらに爆走していくと・・・



旧・吉和村の最初の集落に到達します。峠越えしてきた気分があるのですが、横を流れる川は、広島市内からずっと連れ添ってきた太田川であり、ここは深山に囲まれた盆地なのです。

吉和村の中心地へ向かって進むと、今回のもうひとつの目的である国道488号線にぶつかります。



酷道マニアの間では「中国地方最凶の酷道と名高い国道488号線も、最狂区間である匹見峡~三坂峠間が10年以上も通行止めとなっていて少し魅力には欠けます。ただし、この今いる吉和村から湯来町(現在の広島市佐伯区)抜ける区間も素晴らしい酷道であることが事前の調査でわかっていたので、今回はこの区間を走行してみることにしました。

ちなみにどれぐらい素晴らしい酷道かというと、この区間を抜けた先にある湯来温泉のアクセスガイドに・・・・


湯来ロッジのアクセスガイドより

と書かれるぐらいには一般人お断りの道路なのです。

国道488号線も吉和村内は別荘地が続くためか、まるで軽井沢や八ヶ岳の麓のような走行しやすい高原道路が続きます。酷道目当てできた人から見ると肩すかしですけど、普通にドライブする分には、気持ちの良い道路が続きます。



吉和ICから6kmほど進むと、もみのき森林公園の入口が見えて来ます。なぜこの国道がここまで整備されているかと言えば、それは高速道路のインターを降りてこの公園に向かう人のために他なりません。つまり、公園の入口をすぎれば・・・



この絞り具合、2車線→1車線なのに、1/5ぐらいの狭さに絞られた感覚すらあります。

そして、「道路が狭く急カーブの連続なので、離合が困難です」という酷道お約束のメッセージ。さあ、進みましょう!



酷道区間に入ったと同時にこれ。さっきの県道296号線でもなかったぐらいの道の狭さと路面の悪さ。見通しの悪い急カーブの連続、落石、洗い越しはもちろん、ガードレールもないし・・・走行した感じとしては、京都市内にある国道477号線百井峠付近と似ています。

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そして急カーブの連続。離合場所もかなり少なめなので、狭い道のバックになれていないと大変です。



酷道区間に唯一あったおにぎりマーク。よく見ると、崖の横からL字になって設置されているのがわかります・・・この感じだと、他のおにぎりマークは路肩崩壊などで消滅してしまった可能性がありますね。



この酷道区間と併走している水内(みのち)川は、国道と共に東山渓谷という峡谷を作り出しており、これが小規模ながらも美しいです。青森の奥入瀬渓谷のような感じすらあります。

まあ、運転中はじっくり眺められるような余裕はないと思いますけど(駐車スペースもほとんど無いのが残念)。

6割ぐらい進んだところで、湯来町に入り、少し進むと分岐が見えてきます。



行き先が隠れて見えないのですが、旧道が直進、雲出トンネルを抜けるバイパスが右折となります。よく見なくても、直進方向には三角コーンでバリケードが張られて入ってくるなアピールされていますが、どういうわけかどちらも国道指定されているので、ここはもちろん直進することにしました。



さすがにバイパスが存在する区間だけあり、酷道目当てじゃない人は利用しないからか、路面に一部苔むしたところなどもありましたが、土砂崩れなどで通れないことは全くなく、無事に湯来町側最奥の集落・本多田に到着です。



振り返るとこの通り、どちらも国道指定されているのですよ。旧道方向には行き先が書かれていませんが。

その後も多少は狭い道が続いたものの、快適に走ることができる国道488号線をひたすら走り、湯来温泉の横を抜けて広島市内の自宅へと戻ったのでした。

本来ならここで昨年訪問した湯来温泉にでも浸かって、酷道ドライブ疲れを癒していきたかったのにコロナウイルスのせいで休業中だったので、立ち寄ることができなかったのがちょっと残念・・・!

ic-yas.hatenablog.com


とはいえ、午後半休という短い時間で、ダムや酷道を十二分に堪能することができたので、小粒ながらも満足度の非常に高いドライブを楽しむことができました! これはまたチャンスがあったら今回立ち寄れなかった滝巡りなどをしつつ、またドライブしたいですね。

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