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玉野市営電気鉄道の廃線跡&未成線を自転車で走ってみる

岡山県をかつて走っていた鉄道路線について調べてみると、そのまま廃線跡がサイクリングロードや遊歩道として整備されている場所が多く、特に岡山市周辺から瀬戸大橋の付け根にあたる児島半島あたりに着目すると、自転車で走るだけでも面白そうな廃線跡未成線をいくつか見つけることができたので、実際に折りたたみ自転車のdoveplusで走ってみることにしました。

ちなみに昨年も岡山の廃線跡の一つ、岡山臨港鉄道の廃線跡を少しだけ見に行ってます。

ic-yas.hatenablog.com

それはさておき今回のターゲットは、宇野駅から玉野市の市街地を走っていた通称「玉野市電」という玉野市営電気鉄道の廃線跡を走ってみたいと思います。Wikipedia情報によれば、玉野市電は宇野から「玉」という玉野市のかつての中心地を抜け、現在の児島駅がある辺りを通って、最終的には水島まで行く計画があったようです。

計画通りに完成していれば、国道430号線に沿って線路を敷設し、宇野線水島臨海鉄道をつなぐ私鉄が登場していた可能性があります。まあ、この玉野市電自体は登場してから20年ぐらいで廃止になったようですが。

というわけで、この玉野市電が走っていた廃線跡&走ろうとしていた未成線に沿って、宇野駅から児島駅までトレースしてみましょう。

Googleマップだと廃線跡部分を歩いてくれなかったため、この地図は参考程度にして頂ければ(こういうところに貼り付ける用に、GPSで移動ログを取れるようなアプリを導入しても良いかもしれません)。

 

まずは自宅最寄り駅から始発に近い電車に乗って宇野駅まで行きます。



宇野駅到着時点で、すでに12時前。岡山駅での山陽線と宇野方面の宇野線の接続もイマイチで、なんだかんだで広島から5時間近い長旅でしたが、18きっぷの旅なのでこういうのもありでしょう。

doveplusを駅前で展開して準備完了です。



田舎の駅でたまに見かける白ポスト。アレな本やアレなビデオを回収するためのポストらしいですけど、今時、本やビデオって時代錯誤もいいところ・・・

それはともかく、この白ポストもとい駅前交番があったところあたりに、玉野市電の宇野駅があったようです。


地図を見ると宇野線と並行して一旦山の方へ向かい、市街地を迂回しながら玉方面へ向かったようですが、今日はスタートが遅かったのに加えて長丁場になりそうだったのでその辺はショートカットして、玉野市役所の方へと向かって廃線跡との交点を探してみます。



ありました。この市街地開発計画を完全に無視した斜めの直線道路は間違いなく廃線跡。では、ここから本格的に廃線跡を走行してみましょう。



いきなり登場する中山トンネル。見る人が見れば一発で分かりそうな感じの、かつては鉄道が走っていたのだろうと思われるようなサイズ感と、絶妙なカーブがあるトンネルです。

トンネルを抜けると・・・・



猫がいました。



この写真右手のアパートの前に玉野保健所前駅があって、しかも当時はアパートが駅に直結していたようです。



ここでまたトンネル、大仙山トンネルの登場です。この辺は海岸線が近い上に山がちな土地なので、鉄道を敷設するのは大変だったでしょう。



トンネルを抜け、道路と交差したところに大聖寺前駅という駅があったようです。

実際に廃線跡に沿って走ってみると、とにかく駅の多い路線だったということが分かりますね。感覚的には路線バスや路面電車の停留所ぐらいの間隔で駅があるので、当時は相当ゆっくり走っていたのではないかと思われます。玉野市電は路面電車的な「市電」ではないとはいえ、東急世田谷線富山ライトレール(今は地鉄だったかな?)のような路面電車に近い扱いだったのかもしれません。



道路や川を渡った対岸のこの道が廃線跡であり、この辺から左手の森の中にある三井E&Sホールディングスの工場内を突っ切って行ったのだと思われます。というのも、この玉野市電。元々はこの三井E&Sホールディングスの前身の三井造船の工場と宇野駅を結ぶ貨物専用線を転用した路線だったようなので、そう言われてみれば納得です。

・・・

玉野市電はここで玉遊園地方面へと向かうのですが、下調べしないで国道を進んでいたら思いっきりロストしてしまったので廃線跡巡りはここで終わりとなります。てっきり、工場内を南方向へ突っ切っているのだとばっかり思っていたら、工場内を抜けた後、そのまま北西へと進んで行ってたとのこと。まあ、この続きはまたどこかでやりましょう。

では気を取り直して、ここから先は国道430号線に沿って児島へと向かいます。前述したとおり、玉野市電の計画ではこの先の渋川という集落を経由して児島に向かうようだったことから、あとはもう廃線跡ではなく「鉄道が開通していたら、ここを通ってたんだろう」的な感じでチャリで進むことにします。

国道430号線を南へと向かうと、パンパシフィック・カッパーの日比製煉所が見えてきます。



この工場の横を突っ切ると渋川に到達し、そのまま街中を突っ切れば・・・



ここで海に出ます。

写真だと少し小さくて見づらいのですが、ちょうど真正面に瀬戸大橋が架かっているのが見えますね。

そして、ここまで小雨交じりのぐずついた天気だったのに、ここを境に急に天気が回復してきました!



海岸線の気持ちの良い道路が続いています。交通量が多くても、基本的には道幅も広く取られているので、それほど不快感はなかったのもグッド。



それに瀬戸大橋や対岸の四国もはっきり見えるというこの展望、ここで晴れてくれたのはラッキーでした。



そして、玉野市電の終着駅になるはずだった児島駅へ。実際には玉野市電が運行していた時代に、児島にはJRの駅などなかったので、仮に線路があったとしても、もう少し市街地寄りの当時は健在だった下津井電鉄の下電児島駅の方に接続していたかと思われます(あるとしたら、JR側は新児島駅、下電側は児島中央駅みたいな感じで分けられたと思う)。

というわけで、ここで下津井電鉄にいったん乗り換えて、今度は下津井駅へと向かってみましょう・・・・といったところで、続きは次回へ。

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