広島県南西部にある大竹市には、隣接する廿日市市付近に飛び地がいくつかあります。この飛び地は1つや2つではなく、地図で確認すると大小合わせて8カ所ぐらいあり、全国的に見てもこんなに分散している飛び地群はそこそこ珍しいように見えます(自分が知らないだけで他にもありそうですけど)。
そんな飛び地が実際にどうなっているか見てみたくなったので、その飛び地の近くにある渡ノ瀬ダムとセットでまとめて訪問してみることにしました。
まずは山陽本線で宮内串戸駅まで行き、ここで毎度おなじみになりつつある、津田方面の広電バスに乗って、佐伯町方面へ行きます。昨年から廿日市市の補助金で路線バスの運賃が半額ぐらいの大幅安になったおかげで、自宅からここまで700円ぐらいで行けるようになったのはありがたい限り。
これから玖波方面経由で渡ノ瀬ダムにいくため「玖波分れ」バス停で降りたのですが、地図を見ると1つ手前のバス停で降りた方が若干近かったようです。
玖波分れバス停からDAHON DovePlusに乗って、玖島川沿いを南下して行きましょう。
歩道付き2車線の走りやすい道を進んでいくと分岐点が現れます。玖島川はここで左へと流れて行き、それに従って左折します。
分岐点からしばらく進むと玖島川の川幅が次第に膨らみ、渡ノ瀬ダムが作るダム湖が目の前に広がってきます。ちなみに湖自体には特にしゃれた名前は付けられてはおらず、正式名称は渡ノ瀬貯水池と言うようです。
それなりに大きいダム湖なのに、観光地でもなんでもない、ただの貯水池で公園などもなく、湖畔に降りることもできないようです。
渡の瀬バス停。
ところでこの周辺。バス停は「渡の瀬」、地図を見ると「渡ノ瀬」で、その他ダムの情報サイトや個人ブログを見ると「渡之瀬」と表記されていたりして、表記揺れが激しいです。弊ブログは国土地理院の表記に従って、原則「渡ノ瀬」で統一させて頂きます(ただ、渡ノ瀬ダム自体は、渡之瀬ダムが正式らしい・・・よくわからん)。
なお、この「渡の瀬」バス停では玖波方面と大竹方面の分かれ道となっていて、玖波方面に向かうと、10km程度で玖波駅に行くことが出来ます。そちら方面は機会があれば日を改めて行ってみることにしましょう。
完全に埋もれている渡ノ瀬ダム。ダム自体は昭和31年に完成した古めのダムで、全体的にレトロな感じが広がっていました。
ダムを過ぎてしばらく行くと、久しぶりの集落が見えてきます。
ここが大竹市の飛び地の一つ、奥谷尻という集落です。まあ、別に飛び地だからと言って、道路に「ここから飛び地です!」と書いてあるわけでもなければ、国境のゲートがあるわけでもないので、実際に来てみたところでほとんどの人は気づかず通り過ぎてしまうぐらいには、特にこれと言った特徴は無かったです。
地図を見ると分かるのが、廿日市市(当時は大野町?)の市域の中で人が住んでいるところだけ大竹市になっているようですね。どうしてこういう飛び地が点在するようになったか謎ですけど・・・行政的にみれば廿日市市にとって、住人から税金が取れない(=住んでいるところは大竹市)のに、そのインフラは維持(=そこに到達するまでの道路などは廿日市市)だから、廿日市市が一方的に損しているようにも見えますが、実際のところはどうなんでしょうか。
道路自体は県道だし、電気やガスは民間の範疇と考えると、案外大竹市の方が苦労しているのかも。
いずれにしても、何かしら問題があって廿日市市に入らなかったことには違いないので、複雑な事情があったようには思えます。
家や田んぼがある部分だけが大竹市、その後ろの森や山は廿日市市という眺め。地図と見比べながら風景を眺めると、いろいろ不思議なものが見えてくるでしょう(というのは一部の地図マニアだけかも? ブラタモリ的な視点で散歩しているガチ勢みたいな)。
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そんな飛び地が点在する地域を抜けると、大竹市の本体へ入ります。
栗谷という集落から見える三倉岳(中央右よりの尖った山々です)。
三倉岳は一度登っておきたい広島の山の一つですね。公共交通機関のみでのアクセスが非常に難しいのが難点ですが・・・
栗谷から1kmほどで、国道186号線にぶつかり、この先は小瀬川と共に大竹駅を目指すことになります。
この先は何度か走行しているので詳細は割愛することとして、最後に弥栄ダムに立ち寄りました(詳細は↓)。
やはり、このダムは大きいですね。
意外と大竹駅から近いところにあるので、今後も機会があれば定期的に訪問してみたくダムでした。
そしてそのまま、一気に大竹駅まで走り抜け、無事に帰宅となりました。
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最初は「飛び地を見てみるぞ~」という意気込みで来てみたものの、予想通りに飛び地については、特にこれと言った見所はなかったです。まあ、私は楽しかったですが笑
ただ、サイクリングというかポタリング的にはほぼ下り一直線で35km程度のお手軽コースだったし、この猛暑の中でも終始快適に楽しめたので結果としては行って正解でしたね。