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ドリームスリーパーII Superior Classで東京から広島へ

少し高級な夜行バスといえば、3列のリクライニングシートでカーテンが付いているぐらいのサービスを想定できると思いますが、この世には完全個室な夜行バス、ドリームスリーパー号というすごいバスがあります。

が、登場した当初は価格設定が高いという以前に、そもそも使う機会がなくて乗りようがなく、完全に射程範囲外だったこのバス。それを今回、ちょうど良い条件で乗ることができたというか乗らざる得ない条件が発生したので、満を持して乗って来ました!

ってなわけで、ドリームスリーパー乗車記です。

 


通常、東京と広島を行き来するとなると、利用する交通手段は新幹線か飛行機となります。現在の自宅は広島の中筋駅徒歩圏内なので、中筋バスターミナルからリムジンバスで空港か、アストラムライン等を乗り継いで広島駅から新幹線を使うルートが考えられます。ところが、今回は東京から広島に戻る際に、このどちらも使うことができなかったのです。

なぜ新幹線も飛行機も使うことができなかったかというと、横浜で友人の結婚式があったのですが、その結婚式が終わるのが夜の8時すぎ。この時点で横浜の結婚式会場から広島へ向かう新幹線や飛行機の最終便には乗る事が不可能だったのです。そこで西へ向かう最後の手段として登場するのが、横浜駅にも停車する夜行列車のサンライズ出雲・瀬戸となります。しかしサンライズ山陽本線で岡山から西へ向かうとなると使い勝手がイマイチで、しかも2018年9月現在、広島を襲った豪雨災害の影響で山陽線呉線が使えないため、現実的ではありません(20年ぐらい前なら夜行列車が他にもあったのに!!)。

となればもう夜行バスしか移動手段が残されていないのですが、結婚式帰りに夜行バスを使うのはできれば避けたい、まして東京~広島という800kmを越える超長距離路線の夜行バスには3列シートでも乗りたくないなぁと思って調べてみたら、ベストタイミングでドリームスリーパーに乗れることが判明しました。

このバスの詳細な説明は公式ホームページなどに譲るとして、とりあえず大きな特徴を挙げるとすれば全席完全個室という点。これに尽きます。比較的余裕がある3列シートのバスですら30席以上の座席があるというのに、このバスは全部で11席。しかも、ただ座席に余裕がありすぎるだけではなく、いろいろな設備やサービスが充実していており、間違いなく日本の夜行バスの中では最高レベルの夜行バスだったのです。

で、気になるお値段ですが通常料金だと(2018年現在で)18,500~23,500円。Web割を使って18,000円なので、東京~広島の場合は新幹線の正規指定席料金とだいたい同じぐらいでそこまで高価じゃないし、それに自宅のわりと近所の中筋駅が終着なら、むしろ家からちょっと遠い広島駅に到着する新幹線やその他高速バスよりも使い勝手が良いのです。なので迷うことなく予約開始と同時に申し込み、座席確保に成功!

という流れで、ドリームスリーパーに乗る事になりました。

・・・

涙と感動と浴びるように酒を飲んだ結婚式会場を離脱して横浜駅より大崎へ湘南新宿ラインで移動し、大崎駅西口バスターミナルへ。

東京のバスターミナルといえば、東京駅八重洲口やバスタ新宿が有名ですが、ドリームスリーパーの広島行きはなぜか大崎駅と水道橋駅という高速バスとしてはマイナーなバスターミナルから出発します。



目的のバス、ドリームスリーパー号が出発時刻の10分前にやってきました。



DREAM SLEEPER GUSSURI

さあ乗り込みましょう!

喜び勇んでバスに乗ろうとすると入口で乗務員さんに黒い袋を渡されます。酒に酔った俺のためのエチケット袋のようにも思えるこの袋、これは実は靴を入れるものであり、袋に靴を入れるようにと指示されます。というのもこのバス、土足禁止なのです。

靴を脱いでバス車内に入ると・・・



これだけ見たらバスとは思えない光景。サンライズ出雲・瀬戸のソロ車両にある通路っぽい感じです。この写真だけ見せられたら、高速バスの中だとは誰も思わないでしょう。



そして座席がこちら。

夜行バスの座席にしてはかなりグレードの高い座り心地抜群なシートの他、椅子の前には折りたたみ式の机と、頭上には荷物入れ、それに充電用のUSBと通常のコンセントが用意されてます。しかもドアを閉めれば密室になるので、夜行バスなのに自由にカーテンを開けて首都高から見える東京の夜景を楽しんだり、逆に眠くなったタイミングでカーテンを閉めて、そのまま寝ることもできます。



空気清浄機が設置されているのも良いですね。狭い個室ですが、バス特有の息苦しさは全く感じませんでした。

これ以外の設備としてはバス車内に共有のトイレと洗面所があります。トイレは他の高速バスのトイレと同様の狭さだったものの、洗面所は余裕のある造りになっていて使い勝手も良好。夜行バスの中で歯を磨くとかなにげに初体験ですよ(ちなみに歯ブラシもアメニティで用意されてます)。

 

ただ、安全性やセキュリティの関係上、扉に鍵は付いていないのと、各部屋には監視カメラ(椅子に座るとカメラが停止するらしい)があるので、気になる人は気になるかもしれません。別に個室内で何か人には言えないようなことをやるわけではないので、個人的にはどうでも良いんですが。


・・・

定刻が来たので、いざ出発!

大崎駅からは首都高を乗り継ぎ水道橋へ向かいます。水道橋は東京ドームホテルの下なので、水道橋からの乗車であれば、ラクーアで一汗流してからこのバスに乗り込むこともできそうです。

水道橋からは首都高→東名というルートで広島を目指します・・・が、水道橋を出発したあたりで眠気に襲われすでに就寝。結婚式で酒を飲み過ぎたと言うのもあるのかもしれませんが、とても快適な座席であっさり熟睡することができました。

とはいえ、道路交通法の関係上、フルリクライニングではないのが少なからず残念な点でした。いろいろカスタマイズ可能なゼログラビティシートのおかげで、高速バスとは思えないほどの快適な姿勢で寝ることができるとはいえ、完全には横になれないので夜行列車の寝台や夜行フェリーほどの快適さがないのが惜しかったです。でも、ここまでできれば十分快適であり、それ以前に個室という他の客を意識しなくても良い点においては新幹線や飛行機ではなく、あえてこのバスを選択するというのもありだと思います。大崎から広島の中筋駅まで12時間弱ですが!


・・・

水道橋を出発後にすぐに寝てしまい、途中の新静岡IC付近で目が覚めて歯を磨き、即また就寝。その後、岡山あたりで2~3回軽く目が覚めたぐらいで広島の都市高速に入るまで、ほぼ9時間近く熟睡できました。いやほんと、よく寝た! GUSSURI!!



数名いた他の乗客は福山駅と広島駅で降りてしまい、中筋駅まで来たのは俺一人。というか個室なので他に乗客がいたかどうかすらもよくわからないぐらいにはプライバシーが保たれていました。また、耳栓やアイマスクなども標準で用意して頂いてるので、個室マンガ喫茶+α程度の壁の厚さであっても、他の客のことは全く気になりません。



ちなみに1回乗るとスタンプを一つ貰うことができて、それを6つ集めると次回はタダになります(最後のスタンプから1年有効なので、1年に1回乗れば良いらしい)。つまり3往復すれば1回無料になり1回の移動費(web割18,000円)が実質15,000円になるので、新幹線EX-ICの早割よりも若干安くなるようです。まあ、新幹線の場合は東京広島間を4時間で移動できるし、EX-ICの場合は4往復すればグリーン車に乗れるって考えると、単純な比較はできないかもしれませんけども。

次回はこのバスを使うかどうかは未定ですが、他の夜行バスに比べて圧倒的に楽である点を考えると、これはまた使っても良いかなって思いました。というわけで、次回は広島から東京へこれを使って移動してみましょうか・・・!

 

※おまけ

中筋駅の近くにある中国バスの車庫に止まるバス。

 普段のジョギングコースになっている古川の土手から見えます。

 

終わり。

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