NISHISAITAMA PROJECT

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生野島と契島

生野島は大崎上島のすぐ近くにある有人の島ですが、本当は無人島じゃないかと思われるぐらい、鬱蒼とした深い緑の森が広がる静かな島でした。

まず、福浦港という定期船が接岸する港に降りてみると、廃墟と思われる水産加工業の建物があるだけで商店や民家などは見えません。とりあえず港から山の方へ伸びる、メインストリートを進んでいくと最初の集落が見えてきます。

 




「アワビ」と書かれた工場、既に操業停止しているそうです。



数件の民家が点在する港の集落ではあるものの、実際に住人が住んでいると思われる物件は2~3軒ぐらいで、残りは緑に飲み込まれていました(この集落の中心はここではなく、写真でいう左側にある山の上にあるらしいです)。



「月の浦」という集落へ向かうメインストリート。ほとんど使用されていないからか、苔むしています。それに頭上には毛虫がたくさん浮いているので、虫が苦手な人は晩秋~冬に訪問した方が良いと思います(何も考えずに歩いていたら、頭の上に毛虫が落ちてきて驚いた!)。

福浦港から徒歩20分くらいで、島の反対側にある月の浦に到着です。



こちらは完全な廃村で、人の気配が全く感じられませんでした。かつては段々畑があって、みかん等を栽培していた形跡がかすかに感じられましたが、今はもうジャングルに飲み込まれています。

さて、車道がここで途切れていることがグーグルマップによる事前調査でわかっていました(2020年頃に地図が改修されたようで、今ではちゃんと1周できる道が追加されてます)。



なので、当初の予定ではここで引き返し、福浦港に戻って昼寝でもしてようかと思ったのですが、よく見ると自然に還りつつある舗装道路がまだ先に続いていて、マピオンの地図を確認すると、島を一周する道路が一応あることが判明。



島のサイズ的に、仮に8割進んで行き止まりになっていたとしても、帰りの船には計算上間に合うことがわかったので、ダメ元で先へと進んでみました。

崩壊している道路も、路肩にさえ注意すれば徒歩なら余裕で行けそうです。折りたたみ自転車やママチャリでも大丈夫でしょう。

少し進むと突然目の前が開け、最終ゴミ処分場のような人工的な空き地が見えてきました。



おそらくこれは向かいにある契島の工場で出たゴミをここに埋めているんだと思われます。契島は島全体が工場になっていて空き地が全くないので、契島から最も近くて人もほとんどいない生野島に処理場を作ったのでしょう。

もっと近くで見てみたかったのですが、どう見ても私有地であり、作業中の作業員もちらほら見えたので、これ以上近づくのはやめて道路から眺めつつ先へと進みます。

処分場から15分ほど歩くと、また集落が現れます。



「くさの浦」という集落で、月の浦の集落とは違ってこちらは有人の集落です。住人がいるので生活感もあり雰囲気も良いとはいえ、部外者が理由もなく近づくのもアレですので、集落は避けて島周回道路を先へと進みます。

集落を抜けると、ちょうどうまい具合に契島全体が見渡せる高台に出ます。



この角度から見ると、大きな軍艦のようにも見えますね。「生きている軍艦島」と呼ばれているのも納得です。



操業中です。この島は軍艦島として有名な端島のように廃墟などではなく、実際に生きている島なのです。

そしてこの契島、なんと生野島へ来るときに乗った定期船で行くことができるらしいのです・・・契島を眺めていたら、どうしても契島に上陸してみたくなったので、契島へと行ってみることにしました(ここに来るまで、実際に上陸しようかどうか迷ってた)。



くさの浦の集落から徒歩30分弱で、出発地の福浦港に到着しました。福浦港→月の浦→くさの浦→福浦港、ゆっくり歩いて2時間程度見ておけば大丈夫かと思われます。

・・・

時間通りにやってきた町営フェリーに乗り込み、次に向かうは契島です・・・が、この契島。島全体が東邦亜鉛という会社の私有地なので一般人は上陸することはできません。ところが調べてみると、フェリーが接岸する桟橋だけは降り立つこことができるとのことなので(フェリーの船員さんに確認済み)、その桟橋に降り立つためだけに行ってきました。

ちなみに、生野島~契島は180円、契島~白水港は290円かかるので、素直に180円払って白水港へ戻らず、契島に向かって桟橋に一瞬だけ降り立つと470円かかります。この470円が高いと思うか、安いと思うか、それは人それぞれですね。

個人的には契島に最大限に接近でき、しかも一瞬とは言え上陸できるので、一般的な遊覧船などに比べればかなり安い上に楽しめると断言できます。こんな素敵体験はそうそうできませんよ。

 

生野島を出発して10分程度で契島の正面が見えてきます。




乗客が俺一人ということもあり、チャーター便みたいな感じで愉快。



近くで見ると「軍艦らしさ」はなくなりますが、それでも他の離島では見ることができない異様な光景に惹きつけられます。



もうすぐ接岸です。



契島上陸!



この一瞬のためだけに、わざわざフェリーの船員さんにお願いして待って貰いました。感謝!

この先は私有地なので入れません。このフェリー乗り場から先に行けない感じは、JR鶴見線の海芝浦駅と似ていますね(あちらは鉄道駅ですけど)。

その後は白水港経由で竹原港へ戻り、高速バスで帰ったのでした。

・・・

今回は午前中の天気が悪く、途中で引き返そうかなとか思ったのですが、午後には天気が回復する!という天気予報を信じて行ってみたら、最後の最後で綺麗に晴れてくれて本当に良かったです。

生野島と契島はどちらも観光地ではないので万人にはオススメできないとはいえ、どちらも独特の雰囲気が楽しい島なので、何か感じる物があれば、ぜひ一度は行ってみることをオススメします!

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